人間関係

完璧で「よくできた妻」の夫、本音を語る。「僕はレトルトカレーを“そのまま”食べたいんだ!」(2ページ目)

きっちり生きていきたい妻と、そこまでじゃなくて、普通にのんきに暮らしていきたいと思う夫。結局、正論にはかなわないし、妻を悲しませることはしたくないということで、夫が黙ることになるのだが……。ある程度溝はうめておかないと、将来に響きそう。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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掃除なんて毎日しなくても

ユウスケさん(38歳)の妻はきれい好き。だが、少しだけ行き過ぎている。

「うちも共働きなんですが、彼女は夜中に掃除を始めるんです。気になって眠れないって。キッチンのガス台の細かいところとか、洗面所の水道の蛇口裏とか。綿棒まで使って掃除している。そんなの明日でいいじゃんと僕は思うんですが、起きると手伝わされるので寝たふりをしています」

2歳年下の彼女とは結婚して3年。この先、子どもをもつことも考えているが、彼自身は「はたしてこのままでいいのか」と思うこともあるという。

「妻は向上心があってきれい好きで、とてもきちんとしています。3年たっても、休日もいつもと同じ時間に起きてちゃんと着替えて、朝から掃除洗濯、作り置きの惣菜を作ったりしてちっとも休んだりだらだらしたりしない」

一方のユウスケさんは、休みとあらばのんびり寝て、午後から散歩したり映画を観に行ったりしたいタイプ。土曜日は外食して、ときには友だちと夜遊びもしたいところだ。

「妻を誘うと、『いいけど夜9時には帰りましょ。今夜はお風呂掃除をしなくちゃいけないから』って。たまにはなにもかも忘れて遊ぼうよというと、『もうそんな年齢じゃないでしょ』とたしなめられる。『平日に同僚と飲みに行ってるんだからいいじゃない』と言われますが、僕は妻と夜遊びしたいんですよ……」

家事が気になるから夜遊びしたくないと妻は言うが、結局、妻は家にいるのが好きなのだろう。それも夫と一緒に。そう考えればいいのではないだろうか。だがユウスケさんは不服そうだ。

「正直、僕はどうしても子どもがほしいわけでもない。むしろ子どもができて経済的に苦しくなってギスギスした生活を送るくらいなら、夫婦ふたりだけで楽しく暮らすのもありなのではないかと思っているんです。でも妻は堅実にきちんと『家庭の形』を整えないと結婚した意味がないと考えている。そのギャップがどんどん大きくなっていくようで不安なんです」

何がふたりの幸せなのか。少し先を見すえながら話し合っていくしかないんですけどね、それはわかっているんですけどねと、彼は頭をかきながらつぶやいた。
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