貯蓄

孤独や健康を失うことも?間違った節約の怖い末路って?

先日、こんな質問をいただきました。「節約をはじめたのですが、切り詰め過ぎなのか長続きしません。節約を長く続ける秘訣や、節約し過ぎるとかえって危ないものがあったら教えてほしいです」。今回は、この質問にお答えします。

中原 良太

執筆者:中原 良太

エビデンスに基づく資産活用&マネープランガイド

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先日、こんな質問をいただきました。

「節約をはじめたのですが、切り詰め過ぎなのか長続きしません。節約を長く続ける秘訣や、節約し過ぎるとかえって危ないものがあったら教えてほしいです」。

今回は、この質問にお答えします。

節約を長く続ける秘訣

ズバリ、節約を長く続ける秘訣は「お金を使わないことに苦痛を感じにくい(=お金を貯めていても楽しいと感じる)環境を整えること」です。
間違った節約で大事なものを失わないために

間違った節約で大事なものを失わないために

さいきんは格安SIMなど、通信費を大幅に節約する方法があります。また、iDeCoなど「貯金しながら節税できる」制度もあります。固定費削減や節税は、はじめこそ面倒ですが、いちど変えれば家計がグッとラクになります。ライフスタイルを変えずに、貯金のペースを早めることができますからオススメです。

また、筆者の場合は、お金は「ワインみたいなもの」だと考えています。ワインは、いますぐ飲んでしまうこともできますが、時間をかけて熟成したほうがおいしくなります。

お金もワインと同じで、すぐに消費せずに投資に回すほうが、より大きなお金になって返ってくるものです。

「お金を使わないこと=我慢」と捉えると苦痛です。

一方、「お金を使わないこと=いまお金を使うよりも、もっと楽しい未来が待っている」と腹落ちしていれば、お金を貯めるのが苦痛ではなくなります。

さいきんは、(リスクはあるものの)インデックス投資など優良な投資が増えてきています。お金を使う代わりに、こういう投資にお金を回せば、お金が増えると期待できます。こういう未来を「楽しみ」に感じるようになれば、節約も長続きしやすいです。

間違った節約の怖い末路

「節約=楽しい!」と考えられるのは良いことです。しかし、節約も度が過ぎると不幸につながります。不幸につながる間違った節約は、3つあります。

1つ目の間違いは「孤独につながる節約」です。

たとえば、節約を重視するあまり人付き合いを怠ることです。

反面教師の例として、筆者のケースを挙げましょう。

筆者は若い頃、節約に力を入れるあまり、大学の友人やアルバイト先の友人とも、ほとんど人付き合いしませんでした。それもあり、当時の知り合いとは、いまではほとんど付き合いがありません。

せっかくの青春時代、共通の思い出を語り合える友人がいないのは、やはり寂しいです。まだ若いうちなら取り返しがつくのですが、これが年を取ってから……となると、取り返すのが大変です。旧知の仲がいないまま定年。出会いもない……となると、ゆったり楽しく過ごすはずの余生も、寂しいものになりかねません。

2つ目の間違いは「健康を損ねる節約」です。

若い方がやりがちなのが、食費を削るあまり不摂生になる……というパターンです。筆者も大学生の頃には、アルバイト先での食事は「昼も夜もカップラーメン」で過ごすことが多かったです。

収入が少ないうちは、あるていど仕方がないとは思いますが、年を取ってからも同じでは大変です。健康を損なえば収入も減りますし、何より不健康は不幸に直結します。無理して節約しても、節約した先の未来が不幸なのであれば本末転倒です。

3つ目の間違いは「時間を失う節約」です。

たとえば「100円を節約するために1時間失う」のは、とても非効率です。そんな節約をするくらいなら、30分働いてお金を稼いで、100円を使って1時間を節約したほうが得です。

「時間を失う節約」の最たる例が、「本を買わない」という節約です。本はコスパの良い買い物で、数千円の支出で何十時間もの勉強時間を節約できることもよくあります。

「時間を失う節約」が行き過ぎると、お金と時間を自由に使えなくなり、不幸になります。「節約することで、かえって効率が悪くなる」のであれば、その節約は間違っています。どんどんお金を使って、パフォーマンスを引き上げたほうが合理的と言えるでしょう。

まとめ

要点をまとめると、

(1)節約を続ける秘訣は「お金を使わないことに苦痛を感じにくい(=お金を貯めていても楽しいと感じる)環境を整える」こと
(2)「孤独につながる節約」と「健康を損ねる節約」と「時間を失う節約」は不幸に直結しやすく間違っている


という2点に集約できます。

この2点に気をつけるだけでも、バランスの取れた節約ができるはずです。無理なく節約して、これからの暮らしを明るくしたい方は、チェックリスト代わりにお役立てください。
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