2倍おいしい! 国内旅行と海外旅行が一度にできる
日本発着クルーズは、基本的に日本の都市を回ります。でも船内へ一歩足を踏み入れれば、そこは「ザ・海外」な雰囲気。スタッフのほとんどは外国人なので、英語でのあいさつが基本。一瞬で海外に来たような気分に浸れます。 ちなみにクイーン・エリザベスの日本発着クルーズには、日本人スタッフも何人か乗船しています。船内放送などは2カ国語で案内があり、レストランのメニューにも日本語が併記されているので、英語が苦手な人でも大きく困ることはありません。 船内では生演奏がそこかしこから聞こえてきて、毎晩ダンスパーティーもあります。国内・海外という区別だけでなく、地上とのギャップの大きさもまた、外国船でのクルーズ旅行の大きな魅力です。 海外気分だけではなく、実際に海外へも行きます。というのも、外国船はコースの中で必ず海外の都市に立ち寄ることになっているから。日本周遊クルーズであっても、1カ所は海外の都市に寄港します。とはいえ、寄港地のほとんどが日本国内なので安心感があります。寄港地に着けばネットも電話もいつも通りにつながるし、言語や両替の心配もありません。もし忘れ物があってもどこで買えばいいか、簡単に見当がつくでしょう。 今回は釜山(韓国)に立ち寄るコースでしたが、ほかにもいろいろな寄港地があります。2024年や2025年春のクイーン・エリザベスの日本発着クルーズには、釜山のほかに、済州島(韓国)や花蓮・基隆(いずれも台湾)などに寄港するコースが用意されていました。
クルーズだからできる! 10日で日本一周
10日間の日本一周を飛行機や電車でやってみようとすると、ほぼ移動で終わってしまうハードな旅になりますが、船旅なら余裕。それは基本的に夜の寝ている時間に移動するから。今回の例でいえば、金沢を夕方の18時に出港したら、翌朝9時には秋田に入港していて、朝から観光ができました。移動中はほのかな揺れが心地よく、個人的には普段よりよく眠れたほど。 一度の旅でこれだけいろいろな日本の都市を巡れるのは、クルーズ旅行以外にないといっても過言ではないかも。「行ってみたかったけれどチャンスがなかった」という街にフラリと訪れるチャンスでもあります。
日本発着クルーズの寄港地での楽しみ方
寄港地での楽しみ方は、完全に自由です。日本人であれば国内観光はそれほど難しく構える必要はないでしょう。船が停泊する港は市街地から少し離れていることが多いですが、街の中心まではシャトルバスが出ているので安心&便利。たとえば今回でいうと、金沢では金沢駅まで、秋田では中心地のホテルまで無料の送迎バスがありました。 自由散策以外には、寄港地のオプショナルツアー(エクスカーション※有料)に参加することもできます。とくに「効率的にまわりたい」「少し離れた郊外へ行きたい」というときにはおすすめ。今回の金沢では福井県の永平寺や岐阜の白川郷まで足を伸ばすツアー、秋田では田沢湖や角館をまわるツアーなどがありました。 海外都市であれこれ調べるのが面倒なときも、オプショナルツアーを利用するとラクです。 郊外だけでなく、街なかのツアーもあります。あえて英語と日本に対応したバイリンガルツアーや英語のツアーに参加してみるのも新たな発見や出会いがあっておもしろいかもしれません。
日本の港での厚いおもてなしに感動!
日本発着クルーズでもうひとつ特筆すべきは、各地の港での歓迎ぶりです。個人的に海外でも何度かクルーズに乗船したことはありますが、この熱烈さは日本の港特有な気がします。 入港時には歓迎のセレモニーがあり、港には臨時の観光案内所や地元の名産を販売するブースなどが用意されていました。 秋田市内では街なかにその日限りの特設ステージが設置され、なまはげのショーもありました。美術館などの観光施設ではクルーズカードを見せると団体割引が適用され、文字通り、町をあげて歓迎してくれていることを実感。そんなふうに歓迎されると短い滞在でも町への理解や愛着がぐっと増します。 出港時がまた感動的です。金沢では伝統の太鼓でお見送り、そして英語と日本語のバイリンガルのアナウンスが。「また来てねー!いい旅をー!」と張り上げてくれる声は、お仕着せのあいさつではなく心からの声でした。さらに集まった大勢の地元の人たちが、ライトを点けたスマートフォンを振って見送ってくれます。船の乗客も、客室のバルコニーからスマートフォンのライトを振り返したり、「ありがとう」と大きな声で返したり。船も汽笛を鳴らして応えていました。
秋田の出港はみぞれが降る寒い日でしたが、威勢のいいなまはげのお見送りに元気をもらいました。船が向きを変え、遠く離れるまで、いつまでも太鼓の音が響いていたのを今でも覚えています。 基本的にクルーズ船は朝着いた港をその日の夜に出発します(※例外はあります)。港に留まることなく、旅を続け、世界の海をまわるクイーン・エリザベス。街から街へと移動し、そこでの一期一会を味わう。出港はどこか切なく、なんだかぐっとくる瞬間なのです。
日本発着クルーズならでは! 乗客同士の交流イベントも
船内ではイベントがたくさんあるのですが、今回は日本周遊クルーズということで、日本人スタッフが企画した交流イベントも盛り上がっていました。会場では、日本人乗客が外国人の乗客に折り紙や習字をレクチャー。習字は名前を聞いてそれをカタカナで書いて渡すのですが、英語が話せず「名前は?」なんて日本語で聞いていても、案外通じているんですよね。日本人の方も外国人の方もみなさんも本当に楽しそうでした。
普段なら交わる機会がないであろう人たちの間に温かな交流が生まれるのも船上ならではです(※イベントはクルーズによって異なります)。
おひとり様の「ソロ・クルーズ」プランも好評
クイーン・エリザベスには、1人参加のための「ソロ・クルーズ」プランもあります。船内はイベントも充実しているので知り合いができるチャンスも多いですし、1人で気ままな時間を過ごすのもクルーズ旅行の醍醐味でしょう。日本発着クルーズなら1人でも安心感が高いのもポイント。もちろん、家族や友人と一緒に行くのも楽しいし、自由度が高いのでビギナーもクルーズ好きもそれぞれの楽しみ方ができます。すでに2024年・2025年の日本発着クルーズのプランも販売されていますので、まずはどんなツアーがあるかチェックしてみては?
・キュナード