Q. 「ステロイド剤」は危険な薬ですか? 皮膚科で処方されて、少し不安です

【薬学部教授が解説】「ステロイド剤は危険」と考えて、処方された薬に不安を感じてしまう方がいるようです。安心して使っていい薬なのか、注意すべき点は何なのか、わかりやすく解説します。

阿部 和穂

執筆者:阿部 和穂

脳科学・医薬ガイド

Q. 「ステロイド剤」は危険ですか? 使わない方がいいのでしょうか?

「ステロイド剤」は危険?

「ステロイド剤」は危険?

アレルギーが原因と考えられる皮膚疾患や喘息などの治療で、「ステロイド剤」が処方されることがあります。安心して使っていい薬なのか、わかりやすく解説します。

Q. 「皮膚科を受診したところ、ステロイド剤の塗り薬を処方されました。ステロイドは副作用がある怖い薬というイメージがあり不安なのですが、危険性はありませんか? 言われた通りに使っても大丈夫なのでしょうか?」
 

A. 安心して使えます。医師・薬剤師の指示通りに正しく使うことが大切です

そもそもすべての薬には、必ず副作用があるものです。多くの人が「副作用のない薬がいい」と思うかもしれませんが、「まったく副作用がない薬」は「まったく効果がない薬」と言っても過言ではありません。

ステロイド剤を使うのが不安とのことですが、ステロイドとは、コレステロールなどのステロールを原料にして作られた天然に存在する物質の総称です。私たちの体の中に副腎という臓器で作られる「副腎皮質ホルモン」や、生殖器で作られる「性ホルモン」なども、ステロイドに該当します。もともと体内にあるものですから、本来は決して危険なものではありません。そして、「副腎皮質ホルモン」は、強力な抗炎症作用や抗アレルギー作用があることが分かったため、炎症やアレルギーが関係した病気の治療に応用されるようになりました。これが「副腎皮質ステロイド剤」です。

副腎皮質ステロイド剤は本当によく効く薬で、多くの人が救われてきました。ただし、よく効く薬ということは、正しい使い方をしなくては副作用のリスクもあるということです。この副作用に関する情報だけが独り歩きしてしまった結果、「ステロイドは危険」という話になってしまったのではないかと思います。薬は、安全か危険かでわけられるものではなく、薬がもつ有益な作用を上手に引き出し、好ましくない作用をできるだけ出さないような使い方で、正しく活用することが重要です。

今回は「皮膚科で処方されたステロイド」とのこと。飲み薬の場合は、使い方によっては全身性の重い副作用が現れることがありますので十分な注意が必要ですし、急に中止するのも体に良くないので、時間をかけて減薬していく必要がありますが、今回のように皮膚疾患の治療に用いられる塗り薬としてのステロイドや、喘息の治療に用いられる吸入薬のステロイドの場合は、薬が全身に作用することもありませんから、さらに安心して使えます。

「ステロイドは怖い薬」と思い込んでしまい、使用を拒否する方もいらっしゃいますが、医師や薬剤師のアドバイスを受けながら正しく利用することで、メリットを活かすことが大切です。
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