海外からの渡航者の受け入れも進み、2023年5月11日をもって新型コロナウイルス感染拡大防止に伴う水際対策(入国制限)が撤廃されました。入国する外国人に義務付けていたワクチン接種完了証明書の提示や、CDC(アメリカ疾病予防管理センター)指定の宣誓書や情報提供書の提出も不要に。日本からはパンデミック以前のように自由に渡航することができるようになったといえるでしょう。
さて、今回は旅行前に知っておきたい「アメリカのトイレ事情」を現地在住の筆者が紹介します。
トイレの使い方
アメリカのトイレの使用方法は、少なくとも筆者が暮らすオレゴン州ポートランドでは、衛生面、使用法共に日本人旅行者が戸惑うことはあまりないように思います。公共トイレは基本的に無料で使用可能。小売店やレストランによっては、顧客以外の使用を断るために、トイレに鍵を備え付けているところもあります。トイレのドアに鍵やキーパッドがある場合は店員にトイレを使いたい旨を伝えれば、鍵を貸してもらえたりパスワードを教えてもらえたりします。時には買い物したレシートにトイレのパスワードが記載されているというパターンも。
トイレ内にはトイレットペーパーが備え付けられてることが多く、基本的には日本と同じように、そのまま紙を流すことができます。 水を流す際は手動のボタンやレバーで。大型施設内では水が自動で流れるトイレも少なくありません。
ユニセックストイレが増加中
日本のトイレとの違いといえば、アメリカでは公共施設のトイレの個室の上下に隙間があるという点が特徴的でしょう。ドアを閉めても外から靴などが見える状態です。空室か否かの判断のしやすさやトラブル防止、清掃のしやすさなどが理由だとか。小売店で見かけたユニセックス(オールジェンダー)トイレ
赤ちゃんのおむつ交換台は、公共施設や大型商業施設の女性用トイレには必ずと言っていいほど設置されています。 2016年にオバマ元大統領が「アメリカ連邦政府の施設にある男性トイレにおむつ交換台を設置するよう義務付ける法案」に署名したこともあり、近年は、各地のユニセックス、男性用トイレにもかなり普及し始めています。
トイレの主な設置場所は?
観光客が使えるトイレの設置場所は日本とそれほど変わらず、観光地は施設内はもちろん、公園やトレイルのスタート地点など屋外でもトイレが設置されています。また、車社会のアメリカらしく高速道路脇には、トイレのあるレストエリアがありますし、ガソリンスタンドでも大抵はトイレを借りることができます。ただ、人気のない場所にある屋外の公共トイレを使用する場合は、特に日が暮れてからは危険な場合もあるため避けた方がいいでしょう。
アメリカ英語で「トイレはどこですか?」は何と言う?
トイレの場所を聞く際に、最もよく使われるフレーズは「Where is the restroom(フェア・イズ・ザ・レストルーム)?」だと思います。レストルームの代わりに「bathroom(バスルーム)」を使っても問題ありません。他にも年配の方を中心に、女性用トイレを「ladies' room(レイディーズルーム)」、男性用を「men’s room(メンズルーム)」と表現することもあります。また、アメリカ西海岸ではそれほど一般的ではないように思いますが、「washroom(ウォッシュルーム)」や「loo(ルー)」と言っても通じます。
一方、lavatory(ラバトリー)はアメリカの話し言葉ではほとんど使われません。また、トイレに近い、toilet(トイレット)も通じますが、「便器はどこですか?」と聞くことに近く、あまり印象が良くありません。なお、比較的日本人にとってなじみのあるW.C.(ダブリュー・シー)ですが、アメリカではほぼ通じないと思った方がいいでしょう。