人間関係

実家を離れる娘に「わが家の出汁のもと」を拒まれて…53歳“尽くす”主婦が家族に疎まれる理由

家族の健康を考えて体にいい食べ物をずっと用意してきたのに、夫も娘も息子もありがたがってはくれないという50代の女性。正論ではあるが、正義感と押し付けがましさが家族から疎まれる理由になってはいないだろうか。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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アラフィフといえば、更年期、老いへの不安など、少しずつ人生が転換していく時期だ。ふと過去を振り返ることも多くなる。
家族のためを思って尽くしてきたというのに……

家族のためを思って尽くしてきたというのに…… 

娘が就職、ひとり暮らしをすることになって

「昨年春、就職した娘が家を出てひとり暮らしをすることになったんです。自宅から会社まで2時間、とても通いきれないからと。私は今まで家族の健康だけを願って食事を作ってきたから、娘にはちゃんと作って食べなさいとしつこいくらいに言いました」

ノリコさん(53歳)はそう言う。引っ越し準備をする娘に、「わが家の出汁のもと」を持たせようとした。それはサバやイワシなどの雑節。ノリコさん自身はかつお節をきちんと削って昆布とあわせて出汁を引いてきたが、さすがに忙しい娘はそうはしないだろうと思い、さまざまな魚が混じった雑節を買って渡したのだ。昆布を小さく切ったものも添えた。

「これで毎朝、お味噌汁を作って。せめてそれだけはちゃんと食べてと言ったら、娘は『いいよ。インスタントがあるんだから』って。今までインスタントの味噌汁もカップラーメンも食べさせたことはない。体を作るのは食事なんだからと説得したけど、娘は『おかあさんみたいな暇人じゃないから、私』と言い放ったんです」

ノリコさんは27歳のとき、職場の先輩と結婚。仕事を辞めて専業主婦として娘と息子を育ててきた。子どもが大きくなってからはパートで仕事もしていたが、自分の役目は「あくまでも家族を支える主婦」だと思っていたし、そこにプライドももっていた。

「離乳食はもちろん、子どものおやつも全部手作りしてきたんですよ。ペットボトルの飲み物だって家には水以外ありません。夏は麦茶を煮出して冷やし、1年中無農薬のお茶を飲ませていた。だから健康に育ったんだと思う。なのに娘はまったくそれを理解しようとしない」

それどころか最近では、コンビニのスイーツがおいしいなどと言っているのも聞いたことがある。食べたいスイーツがあるなら何でも作るよと言ったが無視された。

>20年以上、家族につくしてきたのに……。
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