脳科学・脳の健康

Q. 自分の性格が嫌いです。生まれつきの性格は変えられるのでしょうか?

【脳科学者が解説】人の性格には、それぞれの脳のはたらきや性質があらわれます。生まれつきの性格を、意識して変えることはできるのでしょうか? 脳科学的に解説します。

阿部 和穂

執筆者:阿部 和穂

脳科学・医薬ガイド

Q. 自分の性格を変えたいです。性格は変えられるのでしょうか?

短気やネガティブ……性格を変えることは可能か

短気やネガティブ……性格を変えることは可能か


人の性格には、それぞれの脳のはたらきや性質があらわれます。生まれもっての性格は確かにありますが、成長してから「性格を変える」ことはできるのでしょうか? 脳科学的に解説します。

Q. 「短気でネガティブな性格で、悩んでいます。自分でも直したいと思っていますが、『性格は生まれつき、脳で決まっている』と聞きました。性格を変えることは難しいのでしょうか?」
 

A. 性格はいくらでも変えられますし、見方を変えれば、短所は長所にもなります

自分の性格を分析して、より良い方向に改善したいと思えることは素晴らしいことです。

性格は、いろいろな要素によって左右されます。遺伝的な背景によって生まれつき決まっている部分は確かにありますが、全体に占める割合はそれほど高くありません。生まれてから幼少期には、脳の中で本能な情動を司る「大脳辺縁系」という部分が発達しますが、性格の根っこの部分は、その時期にどのように過ごしたかで決まると考えられています。

では、成長してから性格は変えられないのでしょうか? そうではありません。大人になり、色々な人との出会いや経験を重ねていく中でも、物事の見方や考え方が180度変わることもあります。性格はいくらでも変えられるのです。

また、十人十色だからこそ人間は面白いのです。みんな長所・短所をもっています。見方を変えれば、「短気」は感受性の高さを、「ネガティブ」は物事を深く考える慎重な姿勢をそれぞれ反映しています。うまく生かせば、長所にすることもできます。

みんなが性格を無理に「理想とされる性格」に変える必要はないのです。それぞれが長所を引き出して、お互いに助け合えればいいのではないでしょうか。
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