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日額保障と実費補償の2タイプの医療保険、どんな人に向いている?
医療保険は若いときに入ったままという方が少なくありません。多くの方が加入しているのは、「入院1日あたり○○円」という日額保障の医療保険です。しかし、ここ最近では、入院日数そのものが減少傾向にあることや、医療技術の進歩により1日あたりの入院費用が高くなっていることを踏まえ、入院したときの治療費や、それ以外の諸費用も含めて保険金として給付する「実費補償型」も検討する方がいます。
というのは、「入院1日あたり○○円」という日額保障の医療保険では「高額な入院費用を賄えないかも……」と考える方がいるからです。今回は、日額保障と実費補償の2タイプの医療保険が、どんな人に向いているか紹介します。
日額保障型の医療保険のメリット・デメリット
日額保障型の医療保険とは、たとえば入院1日あたり5000円、または1万円と決まっており、入院日数に応じて支払われます。その際、手術をしたときは、入院日額の5~20倍で設定された手術給付金もついています。日額保障型の保障期間は、5年、10年と期間が決まっている「定期型」と、一度契約すると保障が一生涯続く「終身型」の2つがあります。
定期型は、期間が決まっているため、更新を迎えると保険料が上がります。一方、終身型の保険料は契約時点の年齢で決まり、その後一生涯そのままの保険料が続きます。
日額保障型は、保障内容を「日額給付金と手術給付金だけ」の最小限の保障にしておけば、終身型と定期型どちらも、保険料を安く抑えることができます。しかし、定期型の場合、次回更新するときは、保険料が上がるので注意しましょう。
《日額保障型のメリット》
・日額保障型は、終身型・定期型と両方あるので、好みのものを選べる
・多くの保険会社で、終身型・定期型のどちらも取り扱いがある
・50歳前後で医療保険の見直しをしても、最小限の保障であれば、安い保険料で加入できる
《日額保障型のデメリット》
・定期型を選んだ場合、更新のたびに保険料が高くなる
・入院が短期化しているので「日額給付金×日数」では、実際にもらう給付金が少ない場合がある
実費補償型医療保険のメリット・デメリット
実費補償型は、入院時にかかる治療費の公的医療保険における自己負担額(3割)を補償します。治療費の実費が給付されるため、入院日数が少ない場合・多い場合の影響をうけません。保険期間は、5年ごと、10年ごとのように期間が決まった定期型のみです。
《実費補償型のメリット》
・実費補償型は、1回の入院費用限度内であれば、入院でかかった治療費すべてを賄うことができる
・入院時の差額ベッド代や、家事代行代、食事代など、治療費以外の支出も補償となる場合がある
《実費補償型のデメリット》
・定期型しか取り扱いはなく、販売している保険会社も限定的
・定期型の期間が満了になり更新することになれば保険料が上がる
・更新できる年齢の上限目安は69歳。最長でも10年後(79歳時点)で更新できなくなり、補償がなくなる
医療保険の日額保障型・実費補償型の特徴やメリット・デメリットが確認できたところで、それぞれどんな人が向いているのかをまとめます。
「保険料は安く抑えたい!」という人に向いているのは?
保険料は毎月、固定的にかかる費用になります。老後は年金がメインの収入になるという方は、なるべく保険料を安く抑えたいと思うのではないでしょうか。その場合は、「日額保障型」の医療保険がおすすめです。その際、更新がない終身型を選ぶと、将来、保険料が上がることはありません。入院日額が5000円に手術給付金がついた基本保障の場合、男女ともに月額3000円ぐらいの手ごろな保険料のものもあります。見積もりを比較して、自分にあったものを選びましょう。
「入院したときの治療費が心配……」という人に向いているのは?
「入院日額5000円」「入院日額1万円」など、細々した医療保険をいくつか持っている場合、「入院したときの治療費が心配……」「保険で治療費を賄えた方がよい」という考えの持ち主かもしれません。そんな方は、補償内容が充実している「実費補償型」の医療保険を検討してみるのもよいでしょう。
しかし、先述のとおり定期型しか取り扱いはないため、更新後の保険料が高く、先々、負担を感じることもあるでしょう。もし、加入を検討するのであれば、すでにお持ちの日額保障型の医療保険を基本に考え、実費補償型は補助にすることをおすすめします。実費補償型も、基本の補償のみに加入するのであれば保険料を抑えることができます。そうすれば、日額保障型でカバーしきれない入院治療費も賄うことができるでしょう。