子どものおやつを食べてしまう夫
「子どもに野放図にお菓子やスイーツを食べさせるわけにはいきません。ただ、うちの子は運動量が多いから、1日1個はいいかなと思っているんです」サクラさん(42歳)はそう言う。4歳年上の夫との間に、10歳と8歳の男の子がいる。ふたりともサッカーや水泳が大好きで、彼女が言うとおり運動量は多い。
「ただ、近所に夫の両親が住んでいて、このふたりが子どもたちにやたらと甘いものをくれるんですよ。先日も、知人にケーキをいただいたんですが、義両親からはプリンをもらってしまって。放っておくとふたりとも全部食べてしまう勢いだったので、『今日はケーキ。プリンは明日にしようね』と言い聞かせました。ふたりとも納得していた。そのとき夫もいたんですよ」
それなのに朝起きて冷蔵庫を見たら、4つあったプリンがふたつになっていた。夜中に夫が食べてしまったらしい。夫自身もケーキを食べたのに。
「しかも夫はお酒も飲むんですよ。外で飲んで来ることも多いので、家で食事をするときは休肝日ということにしてと以前から言っているんですが、夕飯のときにはやはりビールを飲みたいらしい。興が乗るとそのあと焼酎をグビグビと。ケーキを食べたときも、焼酎を飲みながらでしたから。さらに夜中にプリンふたつ食べるって……」
2つ残ったから子どもたちは食べることができたが、酔って帰ると甘い物がほしくなるようで、子どもたちの分が楽しみにしていたカップケーキを全部平らげてしまったこともある。
「まあ、毎年、健康診断にはひっかかっていますね。今のところは持病もないけど、このままいったら絶対に危ない。酒量と甘い物を減らしてほしいんですけど、本人が本気にならない限り、いくら私が言っても改善されませんね」
少なくとも、子どものものは食べないでほしいと思ったサクラさんは、小さな冷蔵庫を買って寝室に置いている。そこに子どもたちの分を入れておくのだ。これなら夜中にごそごそやっていれば彼女が気づくから。
「我慢できずに子どものものを食べてしまう父親って、なんだか情けないですよね。どうしてあんなに意地汚いのかしら。前にそう言ったら夫は激怒していましたけど、私からみるとやはり“意地汚い”という言葉しか浮かばないんですよ」
サクラさんはそう言って苦笑いを浮かべた。