飲んだくれて帰宅、妻を批判する夫には
「うちの夫は、幼い子がふたりいるのに週の半分くらいは飲んだくれて帰ってくるんですよ」苦笑しながらそう言うのは、アキさん(36歳)だ。同い年の夫との間に4歳と2歳の子がいる。アキさんは現在、時短勤務だが、そろそろ通常の勤務に切り替えようと考えていた。
「ところが夫がこんな状態ではあてにできない。どうにかしてよと言ったら、『保育園のお迎えはお義母さんに頼めばいい。あとは全部、電化製品がやってくれるだろ』って。確かにうちは洗濯も乾燥機を使うし、掃除もルンバがやってくれる。材料を放り込んで煮込める鍋もあるけど、それでも4歳と2歳児をひとりで世話するのは大変ですよ」
だが夫は「うちの母親なんかフルタイムで働きながら、家電もろくにない時代に4人の子を育てたんだよ。昔の女性は偉いよね。父親は何も手伝わなかったからね」と言いつのった。
「おいおい、と思いましたよ。確かにそうかもしれないけど、実際、私が大変だと言っているのだから、夫なら少しは自分もやるよと言ってくれてもいいはず。『そんな無理ばかりさせたから、あなたのお母さんは早くに亡くなっちゃったのよ、かわいそうに』と言ったら夫は不機嫌になってしまいました」
夫は、「じゃあ、いいよ。オレのメシはいらないから」と背を向けた。
「その話をしたのは今年の初め。それっきり私は夫の食事を作っていません。もちろん休日も。休日は作ってくれてもいいんじゃないのと言ったから、『あなたが作ってくれてもいいんだけど』と答えると、夫はふてくされて昼寝。その間に夫が「いざというときに」とリビングの引き出しに置いている封筒から1万円もらって子どもたちとお寿司をテイクアウトして食べちゃいました。これがいざというときよね、と思って(笑)」
もちろん夫の分はない。夫が起きてきたときにはすべて片づけたあとで、何も残っていなかった。夫はカップラーメンを食べたようだ。
「いつもありがとうとか、何もかも押しつけてごめんねとか、少しでも感謝や謝罪の念を表してくれるならともかく、主婦は家の中のことを全部やって当然という態度が嫌なんですよね。すぐ母親を引き合いに出すし。夫の母親、50代で亡くなってるんですよ。本当に働かされすぎだったんだと思う。言ってはいけないと思っているけど、夫が引き合いに出すから私もそう言いたくなるんです」
子どもたちの手前、言い争いはしないようにしているが、水面下で夫婦はずっとバトル状態。これがエスカレートしないようにしていくつもりではあるとアキさんは言った。