結婚してるの? 子どもは?
友人たち数人とコンサルティング会社を立ち上げたリサさん(46歳)。離婚家庭に育ち、24歳で結婚したものの夫の暴力に耐えかねて30歳で離婚。それからは必死で働きながら勉強を重ねてコンサルタント業務を始めた。独立したのは40歳のときだ。「子どももひとりいますが、もう成人して別に暮らしています。再婚はしなかったけど、今もパートナーはいますよ。でもね、私の私生活、かなり複雑だし、あまり人に言いたくはないんです」
仕事柄、セミナーに出席後、名刺交換会や簡単な打ち上げなどに参加することもあるが、女性だからか、「主婦業をしながらどうやって独立したんですか」とか、「お子さんがいらしたらできないですよね」とか、はなから決めつけて話しかけてくる人も少なくないという。
「結婚していようといまいと、子どもがいようといまいと、その人が何をやりたいのか、目指したいものがあるかないかは別の話。あたかも私が恵まれた家庭の専業主婦だから、簡単に会社を立ち上げて、夫の庇護のもとでやってきたんだろうと言わんばかりの人もいます。そうじゃなくて……とそのあたりを正してから話すんですが、そうすると『苦労されたんですね』と涙ぐむ人もいる(笑)」
幸福でも不幸でも、人はバイアスをかけてくるのだ。「面倒ですよね」とリサさんは苦笑した。
仕事の話をするなら、私生活は関係ない。だが私生活を明かさないと「人となりがわからない」と言われてしまうこともある。
「もちろん雑談をする中で、その人の性格がわかることはありますよね。でもそれは家族構成や結婚・離婚の話ではなく、たとえば最近見た映画からだってうかがい知ることはできるはず。属性を知りたがる人の気持ちが、私にはどうしても理解できないんです」
それは仕事の場だけの話ではないのかもしれない。
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