夫も義母との関係をフォローはしてくれるけど
さっぱりした性格の義母だけど
「私が義母と同居したのは結婚してから10年経ったころなんです」そう言うのはリカコさん(43歳)だ。28歳のとき、長く友人だったワタルさんと結婚した。フリーランスで働くワタルさんは、収入が安定していなかったのでリカコさんの扶養に入っていた時期もある。だからなかなか子どもを持つことができなかった。
「夫の収入も少しずつ安定してきた30代後半になって、ようやく妊娠したんですが、なんと双子。私は早く職場復帰しなければいけないし、どうしたらいいんだろうと思っているとき、義母が『同居してもいい』と言い出したんですよ」
夫の父はすでに亡く、当時60代半ばの義母は、週に3日、パートで働きながらひとりで気楽に暮らしていた。
「義母はサバサバした性格で、義父が亡くなったときも『これからはひとりでのんびり暮らせるわ』と泣き笑いしていました。夫には妹がいますが、遠方で家庭を持っているのでなかなか会えない。私たちも共働きだから数カ月に1回会えればいいほう。でも義母は『私には友だちもいるし、好きなように生活するのがいちばんいい』といつも言っていたんです。でも双子だと知って、それは大変!と思ったらしい」
リカコさん夫婦はあわてて住まいを探し、中古ながらいいマンションを見つけて手を打った。義母は自宅を売りに出して頭金を作ってくれた。
「その時点で、私たち夫婦が義母の面倒を一生見ると覚悟したようなものですよね。実際には私、双子を産んでいつなら職場復帰できるか、そればかり考えていました。義母のことを最後まで見るという発想はなかった」
なんとか広めの自宅を確保して安定期に引っ越し、そこから出産まではバタバタした日々だった。
>中途半端な取り決めが招いた結果