人間関係

群れて楽しい「オス社会」と思いきや?30代女性会社員が目撃した、男性社会の“異様”な光景(2ページ目)

上下関係のある男性社会は、ときに周りから見ても独特の雰囲気がある。群れて楽しい「オス社会」なのかと思いきや、あるとき同僚の30代女性が見かけたのは“異様”な光景だった……。企業文化のなかで「ザ・オス」となった男性社員たちを、若い世代はどう見るのだろうか。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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男性本人も困惑していた

マキさんはその後、その若い男性社員にも話を聞いたという。すると彼・リョウタさんも、廊下を4人で歩く様子をマキさんたちが見ているとわかっていた。

「男4人が縦一列で歩いているのは異様だったと思いますと、彼は言っていました。タクシーではやはりリョウタさんが後方真ん中席、しかも笑ったのは、行った先の飲食店でも彼は下座だったそうです。彼のための会ではなかったのかしら?と思って」

いちばん上の局長にごちそうしてはもらったものの、彼としてはちっとも楽しくない時間だったという。

「上司が部長を褒めそやし、部長が局長を褒めそやす。そして局長が『きみは、こんないい上司たちをもって幸せだな』とリョウタさんに言う。リョウタさんは『すべて局長のおかげです』とつぶやく。手を替え品を替え、話題が変わっても方法は同じ。おべんちゃらは止まらない。そんな感じだったようです。リョウタさん、お酒の酔いだけではなく、その人間関係の嘘くさい濃さみたいなものにあてられて、一次会だけで帰ったそう。彼らの世代には、もうオス社会の掟は通じないような気がしますね」

これまた、女性同士だったらどうなるかをマキさんは想像してみたという。

「まあ、もちろん人によるけど、今の私の上司は女性なんですよ。彼女がかなりトップのほうにいったら、そういう会合自体がなくなるでしょうね。もし、ご褒美の意味でごちそうするなら、彼女は若い社員とふたりきりで行くんじゃないかな。そういうタイプの人だから」

女性がトップに近い位置にいることが少ないから、なかなか容易に想像はできないが、少なくとも長い歴史のある「男性社会」とは違うものになるはずだとマキさんは言う。

「学生時代のサークル仲間に先日、会ったんですが、大きな企業に勤めている人ほど『ザ・オス』になっていましたね。あの頃、企業に都合のいいような社員にはなりたくないと言っていたのに……。この年で『今どきの若いもんは』なんて言うし、『やっぱり根回しは必要だよ。周りを固めてから上をじわじわ攻めないと、通るものも通らない』って。私なんて面倒だから、他部署と仕事をするときは、まずトップから攻めますけどね。そう言ったら『ああ、女性はよくそういうことやるよね、でもそれをするとあとで部内が面倒なことになるんだよ』って。男のメンツが絡むらしいです。そんなものいらんと言ってやりました(笑)」

今の30代以下の世代が、そういう社会を変えるのかもしれない。
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