電気代は2割高、ガス代は3割高に
2023年1月20日、総務省が2022年12月の消費者物価指数を公表しました。同資料によると、電気代は前年同期比+21.3%増。都市ガス代は同+33.3%増でした。1年で光熱費が2割以上も増えています。我が家でも「いつもどおり、質素な生活をしているだけなのに、家計が苦しくなった」と、悩んでいます。
光熱費以外にも、さまざまな物価が上がっています。スーパーに出かけるたびに、野菜が値上がりして驚きます。インフレは日本にもやってきました。
インフレ到来。どうやって賄う?
このまま何もしなければ、「いつもどおりの生活をする」だけでも、日に日に苦しくなりそうです。どうすればよいのでしょう。まず思い浮かぶのが「節約」です。ですが、これは対症療法的なものであって、問題を根本から解決できるわけではありません。
節約しても物価は下がりません。むしろ、「これからもっと物価や光熱費が上がる」としたら、節約だけではジリ貧です。いずれ限界が来ます。だから僕は「物価が上がった分、資産も増える仕組みを作るのが良い」と考えます。
我が家の家族会議
そこで我が家では、電気代やガス代の高騰を受けて、妻と2人で家族会議を開きました(会議をしたのは2022年末でした)。妻「電気代が上がっているね」
僕「そうだね。このままもっと上がるかもしれない」
妻「嫌だなぁ……。何かできることはないかな?」
僕「電気代が上がって、一番、得をしているのは誰かな?」
妻「ん? 電力会社じゃないの?」
僕「実は、そうじゃないんだ。いま電力会社は赤字が続出してるんだ。僕らも電気代が上がって苦しんでいるけれど、実際のところ、電力会社が頑張って切り詰めてくれているから『まだかなりマシなほう』なんだ。ヨーロッパでは、電気代が倍以上に増えた国もあるんだよ」
妻「倍以上! それは大変。え。じゃあ、日本では家庭も電力会社も損をしているってこと? じゃあ、いま得をしているのは誰なんだろう?」
僕「サウジアラビアとか、オーストラリアの人じゃないかな。いわゆる天然ガスとか、原油とか、石炭とか、火力発電に使われているエネルギー資源を売っている人たちだよ」
妻「なるほど。じゃあ、いまは『エネルギー資源を売っている人』が儲かって、『エネルギー資源を買っている人』が損をしている、ということか」
僕「そのとおり! そこでね。うちでも少し、こういう会社の株を買おうと思っているんだ」
妻「どうして?」
僕「また光熱費が上がる前には、資源の値段が上がるはずだからだよ。日本の電力会社には『燃料費調整制度』というのがあって、燃料費が上がると電気代も上がるんだ」
妻「うーん。分かるような、分からないような……」
僕「つまりね。天然ガスとか石炭とかを売っている会社の株を買っておけば、もし燃料費が上がったら、これらの会社は儲かるから、株価も上がる可能性が高いんだ。仮に電気代が上がったとしても、株価が上がった分で相殺できるようにしておけば、家計の足しになると思って」
妻「なるほどね。『不利な買い手でいるのが嫌なら、有利な売り手側の株を買って恩恵にあやかろう』ということか。でも、それってリスクがあるんじゃないの?」
僕「もちろんあるよ。逆に燃料費が下がったときには、株価が下がる可能性が高い。ただ、そのときはきっと電気代も下がっているはずだから、それはそれで相殺できると思う。一番怖いのは、投資先が事故とか不祥事を起こして暴落するケースかな。この場合、電気代が高いままなのに、株価も下がってダブルパンチ……ということにもなりかねない。それは怖いから、いくつかの会社に分散投資するのがいいと思うよ」
妻「そうだね。あとは『リスクを負う覚悟があるか』の問題か。ためしに、ちょっとだけ買ってみる?」
僕「よし、じゃあ決まりだね。こんど、いつ買うか話し合おうか」
どちらの側に立つか?
これが、我が家の家族会議で話し合った内容です。要点は以下の3つでした。・物価が上がると「買い手」は損をし、「売り手」は得をする
・電気代の高騰で、もっとも得をしたのは「エネルギー資源」を売っている会社
・「売り手」の株を買うことで、「買い手」の損をやわらげられるかもしれない
家計の体質を改善するときは、小手先を工夫して「その場しのぎ」をするのではなく、「根本的な問題を、どうすれば解決できるだろうか?」を考えるのが大切です。
我が家では、物価が上がってつらいときは「いま得している、もしくは、これから得する人が誰で、その人と同じように得をするために何ができるだろうか?」と考えました。
この判断が吉と出るか、凶と出るか。未来は誰にも分かりません。それでも、「自分が納得いく形で、根本的な問題を解決する方法を考える」のは必要なことだと思います。