亀山早苗の恋愛コラム

私が愛した「ダメ夫」との5年間。ヤングケアラーだった夫が好きに生きて、いなくなるまで

みんなが「やめろ」と反対した男性との結婚を選んだ30代女性に話を聞いた。周囲がどう感じようが、「別れたくない」なら当の本人は幸せなのかもしれない。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

恋愛ガイド

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夫婦にはいろいろな関係がある。妻のわがままに耐えながら支え続ける夫、妻が浮気しても反撃ひとつできない夫、夫の献身を当然のように受け取る妻、ダメ夫から離れない妻……。どんな関係であれ、別れたいのに別れられないわけではなく、「別れたくない」なら、それは本人にとって案外、幸せなことではないだろうか。夫婦のことは他人からは計り知れないのだから。
 

みんなに「別れろ」と言われた男性と……

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32歳のときに妊娠、2歳年上の男性と「デキ婚」したマミコさん(38歳)。夫は当時、バーで働いていたのだが、結婚するやいなや「結婚もしたし、昼間の仕事をして家庭を大事にしたいんだ」と言い出した。

「そんなタイプには見えなかったので、本当かなと思いましたが、真剣な顔をして言うから騙されました。専門学校のパンフレットを見せてくれたので入学費用を渡したら、突然、帰ってこなくなったんです」

マミコさんは苦笑しながらそう言った。ところが彼女は、ここで慌てたり騒いだりしなかった。誰かに愚痴を言うことすらなく、淡々と仕事を続けてひとり生活をしたのだ。

「結婚前、夫は『うちは家族が崩壊しているから、母親だけ紹介する』と言い、義母とは3人で食事をしました。『本当にこんな子でいいんですか』と義母には何度も言われました。義母は息子のいいかげんさを見抜いていたんでしょうね。義母は感じのいい人だったから、夫が帰ってこなくなったときも何も言いませんでした。でも義母から電話をもらったんです。『新婚生活、うまくっている?』と。だからこんな感じで今は帰宅してないですと言ったら、義母が飛んできて謝るんですよ。お義母さんのせいじゃないし、私は私で生活していけますからと言ったら、義母は泣いていました。どうやら彼、若いころからやんちゃで母親に心配ばかりかけていたみたい」

それでもマミコさんは夫のことが好きだった。自由に生きて、やりたくないことはすぐやめて……。そんなふうに自分は生きていけないが、心の赴くままに生きる夫のありようがどこかうらやましかったのだという。

「とことん夫の味方でいたいとなぜか思っちゃったんですよね」

そこから苦労が始まった。

>生きたいように生き、突然この世から……
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