1:『非常宣言』(2023年1月6日公開)
韓国の名優であるソン・ガンホとイ・ビョンホンが共演するパニックスリラー。ハワイ行きの航空機でバイオテロが発生。パイロットも罹患し、航空機が墜落の危機に陥ったり、緊急着陸を断られたり、ピンチに次ぐピンチの連続で胸がバクバクしっぱなし!機内では乗客を演じるイ・ビョンホンが、地上では刑事を演じるソン・ガンホが窮地を救うべく奔走します。さあ、どうなる……! 全編貫く緊張感と危機的状況だからこそ垣間見える人間の本質。韓国エンタメの力を見せつける快作です。
監督:ハン・ジェリム
2:『ファミリア』(2023年1月6日公開)
役所広司と吉沢亮が親子を演じる骨太な人間ドラマ。山里で1人暮らしをする陶器職人の誠治(役所広司)のもとにアルジェリアに赴任していた息子の学(吉沢亮)が婚約者を伴って帰国。幸せな時間も束の間、この親子を悲劇が襲うのです。役所さんは安定感あるお芝居を見せ、吉沢さんはエリートの息子を爽やかに演じています。誠治が面倒を見る在日ブラジル人の青年の物語もからみ、人種や差別、偏見など社会問題も浮き上がらせています。
監督:成島出
3:『金の国 水の国』(2023年1月27日公開)
人気漫画家・岩本ナオの同名漫画が初のアニメーション化。お金持ちだけれど自然が失われている金の国のプリンセスと、貧しいけれど自然豊かな水の国の建築士が、ある理由から偽りの夫婦を演じることに。でも次第に心を寄せ合って……というファンタジー映画です。おっとりしたサーラ王女、ユニークで賢く人懐っこい建築士のナランバヤルの恋がほっこり温かく、脇役キャラもいい仕事! 何よりサーラの声を演じる浜辺美波とナランバヤルの声を演じる賀来賢人が素晴らしい。幸せな気持ちにさせてくれる良作です。
監督:渡邉こと乃
4:『イニシェリン島の精霊』(2023年1月27日公開)
コリン・ファレルが抜群の芝居で圧倒するシニカルなユーモアを称えた人間ドラマ。1920年代、アイルランドのイニシェリン島で暮らすパードリック(コリン・ファレル)は飲み仲間のコルム(ブレンダン・グリーソン)から絶交されます。理由が分からないパードリックは何とか元の飲み仲間に戻りたいと願うのですが……という物語。なぜコルムが絶交したいと思ったのか、なんとなく分かるのですが、パードリックだけ分かっていないというのがおかしい。コルムを引き止めようとするほどドツボにハマる展開がすごい。傑作だと思います!
監督:マーティン・マクドナー
5:『レジェンド&バタフライ』(2023年1月27日公開)
木村拓哉と綾瀬はるかが共演する時代劇エンターテインメントがいよいよ公開! 尾張の織田信長(木村拓哉)は美濃の濃姫(綾瀬はるか)と結婚します。尊大な信長の態度に負けじと対抗する強気の濃姫。2人は本音でぶつかり合いながらも、やがて心を通わせ、天下統一へと歩みを進めていきますが……。木村拓哉が織田信長の役にハマっていて、躍動感ある芝居に目がくぎ付け! また濃姫、こんなに勝気だったっけ?と思いつつ、はつらつとプリンセスを演じる綾瀬はるかも魅力的。168分という長尺ですが一気に見せ切るエネルギーに満ちあふれた作品です。
監督:大友啓史