コロナ禍で絶好調のコンビニスイーツ。ヒット商品が多数生まれた2022年に続き、2023年はどんな商品がヒットするのでしょうか？ コンビニのスイーツを長年取材してきた筆者が、3つのキーワードから2023年のトレンドを予測してみます。
キーワード1. ヒットのカギは「プロデュース力」
2022年9月より展開中のローソン「プリンの限界」プロジェクト
シェフの監修や人気ブランドとコラボしたコンビニスイーツが、2022年も話題になりました。その中で個人的に注目したのが、ローソンとスイーツメディア「ufu.（ウフ。）」がコラボした「プリンの限界」プロジェクトです。
これまでは、パティシエを筆頭に、チョコレートやチーズケーキなどに特化したスイーツブランドなど「スイーツを開発する側」とのコラボが主でしたが、今回の「ufu.（ウフ。）」は、「情報を伝える側」でした。旬なお店のセレクトや販促での見せ方に「編集力」を感じ、とても興味深かったです。
現代は「SNSでいかに話題にしてもらうか」が、商品の売れ行きを大きく左右する時代です。2023年のコンビニスイーツには、「プロデュース力」がより求められそうです。
キーワード2. 「素材の深掘り」がさらにマニアックに！
香りの使い方に新しさを感じた、ローソンの「濃厚生チーズケーキ」
近年パティスリー業界では、SDGsへの意識の高まりもあり、国産素材、とりわけフルーツへのこだわりがより顕著です。既成のフルーツピューレではなく、お店で絞った果汁や果皮、自家製のコンフィチュールやシロップなどで、差別化を図るお店が増えているように感じます。
とりわけ柑橘類やぶどう、りんごなどの人気のフルーツは、品種ごとに使い分けるケースも。2022年にローソンから発売された「濃厚生チーズケーキ」にも、いよかん、日向夏、ライムの3種類の果汁が使われており、お菓子に使われる素材の広がりを感じました。
国産のフルーツは、大量生産のコンビニスイーツに使うには安定供給の面で難しさもあるかと思いますが、差別化の要素として、今後は増えてくるのではないかと感じています。
キーワード3. 「ヨーロッパ伝統菓子のアレンジ」はまだまだ継続!?
ファミリーマート「ダックワーズサンド チョコ」。今後はシリーズ化されるかも!?
ここ数年、原点回帰やレトロスイーツブームの流れで、伝統菓子への注目が高まっています。コンビニでは本場の味を忠実に再現するのではなく、現代風だったり、日本人好みにアレンジされることが多いようです。
2022年、セブンイレブンからは、タルトタタンやフロランタンなど伝統的なフランス菓子をチルドスイーツにアレンジした商品が登場。11月には「フィナンシェサンド」が発売され、さらにファミリーマートからも「ダックワーズサンド」が発売されました。
ちなみに、生地にクリームをサンドしたお菓子はバリエーションも展開しやすく、フルーツサンドやバターサンドのように、トレンドになりやすい傾向があるように感じています。
さらには「マリトッツォ」をきっかけに注目されたイタリア菓子のほか、「ヴィクトリアケーキ」などのイギリス菓子もコンビニで見られるように。2023年はドイツ、オーストリアなど、世界中の知られざるスイーツがアレンジされて、コンビニに登場するかもしれませんね。
※紹介している商品は、2022年12月末現在は販売終了しているものもあります。ご了承ください
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