日本一の山といえば富士山ですが……
1. 日本一高所にある郵便局
富士山頂郵便局
富士山頂郵便局は、富士山郵便局として明治39年(1906年)7月30日に開局したのが最初です。当初は吉田口および須走口寄りの8合目にありましたが、明治42年(1909年)に現在の山頂付近に移転しました。戦中は昭和17年(1942年)夏までの営業でしたが、昭和24年(1949年)に富士山頂郵便局として改称・再開されます。令和2年(2020年)から新型コロナの影響で休止していましたが、令和4年(2022年)夏に営業を再開しています。
富士山頂郵便局は風景印を最初に使用開始した局のひとつでもあります。風景印は昭和6年(1931年)4月1日、日本が当時支配していた中国・関東州で先行開始されましたが、内地では富士山郵便局と富士山北郵便局(山梨県)の2つの季節局がもっとも早く、いずれも昭和6年7月10日に使用開始されました。
2. 建造物として日本一重要な郵便局
博物館明治村「宇治山田郵便局舎」
「宇治山田郵便局舎」が博物館明治村に移築されたのは昭和44年(1969年)のこと。当初は郵便関係の展示場だけでしたが、昭和46年(1971年)3月に博物館明治村簡易郵便局が館内に設置されました。令和4年11月3日に約4年の大規模な改修工事を終えましたが、明治時代の竣工当時の色合いが再現されていて、とても見ごたえがあります。
3. 日本の郵便創業の地にある郵便局
日本の郵便創業の地
もともとこの場所は東京郵便局(東京中央郵便局)だった時期が長いのですが、同局が丸の内側に移転したため、大正6年(1917年)4月1日に日本橋郵便局という局が同じ場所に新設されました。
郵政関係者の間ではよく知られた話なのですが、日本橋郵便局は江戸橋のすぐ目の前にあり、日本橋からは少し離れています。日本橋とは開局時の行政区(日本橋区)によるもので、日本橋の近くにある局というわけではありません。また、元四日市町という歴史ある地名は昭和3年(1928年)の震災復興期の区画整理で消滅し、通1丁目・江戸橋1丁目に編入されています。
4. 日本一南国な雰囲気に満ちた郵便局
竹富郵便局
現在の竹富島郵便局の局舎は平成5年(1993年)にできたものです。けっして古くはありませんが、琉球赤瓦の屋根に丸太の柱を用いた平屋建てで、伝統的な琉球建築を用いています。琉球石灰岩でできた白い石垣に囲まれ、赤い建物とのコントラストが美しく仕上がっていて、「映える郵便局」みたいな話題になると、よく引き合いに出されます。
5. 日本唯一の「駅裏」簡易郵便局
全国唯一の「駅裏」、浜田駅裏簡易郵便局
浜田駅裏簡易郵便局は昭和41年(1966年)8月新設の簡易郵便局であり、設置場所は浜田市浅井町でした。しかし簡易局の設置以前から浜田駅南口側には浅井郵便局(旧特定局)という別の局があったのです。そのため、北口側の簡易局を仮に浅井簡易局としても、浜田駅前簡易局としても、南口側の郵便局と混同される恐れがあったのでしょう。最終的に昭和42年(1967年)12月には浅井局が浜田駅前局に改称し、「南口に駅前局、北口に駅裏簡易局」というかたちに落ち着きました。
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