1. 栃木 | 湯西川の庇付き郵便ポスト
老舗旅館「本家伴久」入口にある戦前の丸型ポスト
「郵便」の文字が右書きされ、投函口付近の円形部分や庇に雷文模様があり、郵便ポストを支える根石が戦後のタイプより大きくつくられているのも特徴です。
金属製の郵便ポストの大半は戦時中に回収されたため、ほとんど現存していません。しかも今なお現役の郵便ポストとして使用されているという点においても非常に貴重な存在です。また、老舗旅館「本家伴久」は湯西川の郵便局を務めたことでも知られ、歴史ある温泉地における郵便の成り立ちを語る上で重要な地位を占めています。
2. 長野 | 上田郵便局管内の国策ポスト
上田市下武石で今も使用される国策ポスト
上田市の国策ポストは、大宮諏訪神社鳥居(上田市下武石)に近い場所にあり、設置日は昭和44年1月30日となっています。国策ポストの製造時期から30年近く経過していることからも、別の場所から移設されたのは明らかでしょう。ただ、それ以上の来歴はよくわかっておらず、こうした謎に包まれた部分も含めて魅力的なポストといえます。
国策ポストについては、御油小学校(愛知県豊川市)のものや「龍門の滝」近くの土産物店(大分県九重町)のものなど、いくつかの現存例が知られています。しかし今もなお現役の郵便ポストとして使用されているのは上田市のものが全国で唯一とみられます。戦争の生き証人でもあるポストとして、これからも次世代へ向けて大切に継承していきたいところです。
3. 長野 | 贄川郵便局のレターポスト
長野・贄川郵便局前に立つ貴重な「レターポスト」
郵便ポストが好きな方の間では、贄川は幻のレターポストのある町としても知られます。旧街道沿いの贄川郵便局にある丸型ポストは投函口のところに「LETTER」(レター)と書かれた特殊なタイプで、丸型ポスト(郵便差出箱1号丸型)の試作品にあたります。昭和23年から昭和24年にかけて製造されたもので、現在では善通寺郵便局(香川県善通寺市) 、白井そろばん博物館(長野県飯田市内で保管のものを移設)など、非常に少ないものとなっています。
4. 台湾 | 日本時代の郵便ポスト
台湾・平渓郵便局前にある昭和16年の日本統治時代の郵便ポスト
場所は台北と基隆の郊外に位置する平渓(へいけい)という山あいの町です。平渓老街を中心にちょっとした観光地となっていて、軽登山を楽しむ方の休憩地としても親しまれています。この町の唯一の局である平渓郵便局(平渓郵局)には、なんと昭和16年に設置された日本統治時代の郵便ポストがあり、今もなお現役で使用されています。
台湾の郵便ポストは緑色が基本なので、現在の日本の郵便ポストとは異なりますが、その形状は日本の丸型ポストとよく似たつくりになっています。台湾の郵便局の一部には風景スタンプが用意されているところがあり、手紙やはがきのワンポイントとして自由に押せるようになっています。郵便局の目の前には「平渓郵局」の風景スタンプと台湾最古の郵便局であることを示すゴム印が設置されており、自由に押印することができます。
台湾最古の郵便ポストの脇にある記念スタンプのスペース
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