「毒母」とは言えないけれど……
「母親が4回目の結婚をしたんです」苦笑しながらそう言うのは、ミナミさん(39歳)だ。彼女は妹がひとりと、異父きょうだいが3人いる。
「母は現在、63歳です。そもそも母が最初の結婚をして私を産んだのが24歳のとき。2歳下の妹もいます。その後、父と別れて2度目の結婚をしてふたりの子を産んだけど、43歳で離婚。3度目の結婚は44歳で、45歳のときまたひとり産んでいます。全部で5人きょうだい。母は全員連れたまま再婚、再々婚しているので、なんだか大家族でわけがわからないうちに私も大人になってしまいました(笑)」
母の2度目の結婚のときは、「結婚してもいいかな」と10歳にもならないミナミさんに承諾を求めてきた。彼女は「いいんじゃない?」と答えた記憶があるという。
もともと美容師である母は、ミナミさんの妹を産んだ直後に美容関係の事業を立ち上げた。これがそれなりに軌道に乗って、「お金持ちとはいえないけど、母の稼ぎだけで普通の暮らしを送れたから、頑張ったんだと思う」と彼女も母を評価している。
「一番下の子を産んだとき、母は45歳。私は21歳。なんだか複雑な気分でしたよ。3人目の母の夫は、28歳。私のほうが彼にずっと年齢が近かった。すごいイケメンで、どういう手練手管でああいう若いイケメンを落としたのか知りたかったくらいです。子どもを産んだあとはあっさり捨てられたみたいですが」
そんなとき、母はミナミさんを頼る。泣いたり騒いだりを何度も繰り返し、最後は淡々と仕事に戻っていくのがいつものことだ。
「結婚だけでじゃなくて恋愛もしていますからね。仕事は完璧らしいですが、とにかく男にだらしない。ただ、男好きだけど、お金に関してはしっかりしていて、決して男に貢がないし騙されたりもしない。そこはすごいですね」
ある程度の距離を保ちながら付き合わないと、エネルギー過多の母親にすべてを吸い取られていくような気がするとミナミさんは言う。
>母親に“吸い取られた”結果?