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コロナ禍に開業した注目の「ホテルインディゴ」とは? 2023年秋には東京・渋谷にも

IHGホテルズ&リゾーツのライフスタイルブランド「ホテルインディゴ」は、ネイバーフッドが息づく世界観が特徴。国内は箱根、軽井沢、犬山の3軒で、心地よいユニークな空間やサービスに魅了されます。2023年には東京・渋谷に開業! 大注目のホテルインディゴを徹底解剖します。

村田 和子

執筆者:村田 和子

旅の準備・お得・便利ガイド

ホテルインディゴ犬山有楽苑のレセプション。木曽川沿いにあることから鵜飼をイメージしたアートワークが目を引く

ホテルインディゴ犬山有楽苑のレセプション。木曽川沿いにあることから鵜飼をイメージしたアートワークが目を引く

コロナ禍も、水面下では多くのホテルが開業していました。そんな中で、筆者が注目しているのが、「インターコンチネンタル」をはじめ17ブランドのホテルを世界に展開するIHGホテルズ&リゾーツの「ホテルインディゴ」。

2004年に米国アトランタに第一号が開業し、世界中に135軒を展開、さらに120軒以上の開業を予定している、注目のホテルブランドです。現在、国内にあるホテルインディゴは「箱根強羅」「軽井沢」「犬山有楽苑」の3つ。2023年秋には、東京・渋谷にも開業予定です。その世界観と、現在宿泊できる国内3つの施設それぞれの魅力を紹介します。
 
<目次>
   

ホテルインディゴとは? テーマは「ネイバーフッドストーリー」

「ホテルインディゴ……聞いたことがないなあ」そんな方も多いかもしれません。それもそのはず。日本には2020年1月に箱根強羅(神奈川県)に初上陸し、コロナ禍にもかかわらず2022年2月に軽井沢(長野県)、同年3月に犬山(愛知県)と相次いで開業。日本にまだ3軒しかないのです。
 
ホテルインディゴのコンセプトは、「ネイバーフッドストーリー(ご近所の物語)」。インテリアや食、調度品やアートワークまで、1つ1つに、その土地ならではの歴史、文化、自然などの物語が詰まっています。
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歌川広重の浮世絵をオマージュした作品、天井には組子などご近所の魅力が満載のレストラン(ホテルインディゴ箱根強羅)

ホテル館内にいながら近隣の文化や歴史を感じ、一帯を散策することで理解が深まり、地域とのつながりが強くなっていきます。そんな旅先を深く味わえる世界観は、旅好き、アート好きの好奇心が刺激され、身を置くと幸せな気分になります。

・​​​​​目指すのは「ライフスタイル・ブティックホテル」
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細部までセンス良く、心地よい滞在ができる(ホテルインディゴ軽井沢)

​​​​​ホテルインディゴが目指すのは、スーパーラグジュアリーではなく、洗練された滞在でありながら自宅のように寛げるライフスタイル・ブティックホテル。お値段もびっくりするほどではなく、記念日やがんばった自分へのご褒美として丁度良いのもうれしいポイントです。
 

国内はもちろん、海外旅行先でもチェックしたい!

筆者がホテルインディゴを知ったのは、2016年に開業したホテル インディゴ シンガポール カトンを視察で訪れた時でした。
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ホテル インディゴ シンガポール カトンの客室

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街にはマレー・中国・欧米が入りまじったデザインが多く、カラフルな住宅や可愛いモチーフが溢れる

プラナカンという多民族の文化が混じるホテル一帯の地域を見事に表現した館内は、アート好き、旅好きにはたまらず、感動したのを今でも覚えています。

日本国内の新しいトレンドとしてネイバーフッド探索を楽しむのはもちろん、海外旅行が復活した折には、海外での滞在先としてもぜひチェックしたいホテルブランドです。

今回は国内の3施設を紹介。ぜひホテルインディゴの世界観を体感してみてください。

※ホテルインディゴ公式サイト

 

箱根強羅の自然と歴史を館内に:ホテルインディゴ箱根強羅

箱根の強羅は、明治時代より開発され、保養所や別荘が多いことでも知られる地。館内へ入ると目に留まるスタイリッシュなラウンジの細部にも、箱根の歴史や伝統工芸が息づいています。

例えばレセプションは、大正時代に開園し、当時の名残を色濃く残す強羅公園にある白雲洞茶苑をイメージしたデザイン。寄木細工といにしえの強羅の様子を撮影した白黒写真を組み合わせたアートワークもご当地感満載です。エレベーター前には、強羅の地名の由来ともいわれる「ゴロゴロした石」をデイズプレイした壁もあり、ユニークです。
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寄木と白黒写真のアートワーク越しに、レセプションを望む(ホテルインディゴ箱根強羅) 


・「島写真館」の作品をアレンジした客室のアートウォール
客室のアートウォールは、強羅で大正8年に創業し、強羅の歴史を撮り続けてきた「島写真館」の作品をアレンジしたもの。現代といにしえが錯綜し、よく見ると江戸時代の旅人と思しき人が自撮りをしていたり、ドローンが飛んでいるなど遊び心も満載です。
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ホテルインディゴ箱根強羅の客室。全室で温泉が楽しめる(ホテルインディゴ箱根強羅)

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よく見れば……他にもユニークなアレンジがあるので探してみて!(ホテルインディゴ箱根強羅)


・遊び心あふれるレトロな看板も
遊び心といえば、寄木細工がモチーフの素敵なミニバーには、「ばぁ」というレトロな看板も掲げられています。
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寄木細工がモチーフのミニバーもお洒落(ホテルインディゴ箱根強羅)

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遊び心あふれる「ばあ」という看板(ホテルインディゴ箱根強羅)

 
・「炎」がテーマのダイニングレストラン
ダイニングレストランは、強羅の象徴的なイベントである大文字からインスピレーションを得た「炎」がテーマ。オープンキッチンでは、間伐材を利用した薪で焼き上げた食材が次々とテーブルへと運ばれていき、活気ある様子も楽しめます。
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バーからレストランを望む。天井は組子風のデザイン(ホテルインディゴ箱根強羅)

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次々と料理ができ上がり運ばれてゆく。魚や朝食のベーコンなども薪で調理(ホテルインディゴ箱根強羅)


・旅館とは差別化した存在
ホテルインディゴが日本に進出するという発表会で、「温泉地にネイバーフッドストーリーというコンセプトは、旅館に近いスタイルになるのか?」と質問をした際に、「ホテルインディゴとして、新しい価値観で地域を捉え、旅館とは差別化した存在になる」と回答を得たのですが、なるほど……温泉の楽しみ方にもそれは表れていました。

・温泉の効能に癒し効果を加えた「サーマルスプリング」
全客室に温泉がひかれプライベートで楽しめるのはもちろん、旅館であれば大浴場にあたる施設は「サーマルスプリング」として、温泉の効能に癒し効果を加えたモダンなスタイルに。
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サーマルスプリングには、ヒマラヤ岩塩サウナや休息できる場も備えており、1500円で外来利用もOK(ホテルインディゴ箱根強羅)

ジャグジーや歩行浴などがあり、箱根の四季を映し出す映像が流れる空間は昼と夜で異なる雰囲気。水着着用で男女問わず同行者と一緒にリラックスできる施設となっています。
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サーマルスプリングのジャグジーには四季折々の箱根の映像が流れ、昼と夜とでは雰囲気も異なる(ホテルインディゴ箱根強羅)


・箱根の自然と温泉、食を新しい視点で満喫
夜は川のせせらぎを聞きながら部屋の温泉で過ごすもよし、サーマルスプリングで心身のメンテンスをするもよし。箱根の自然と温泉、そして食を新しい視点で楽しめるホテルです。
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早川越しにホテルインディゴ箱根強羅を望む


※ホテルインディゴ箱根強羅  
 

洗練された別荘地で過ごす休日:ホテルインディゴ軽井沢

2022年2月にオープンした国内2軒目の「ホテルインディゴ軽井沢」は、著名人に愛された「別荘体験」がテーマ。浅間山を望む敷地は客室棟やレストランが渡り廊下でつながれた作りで、館内にいながら四季の移ろいを感じられます。
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焚火ラウンジもあり様々なイベントも開催(ホテルインディゴ軽井沢)

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レセプションには暖炉があり、あたたかな炎が出迎える(ホテルインディゴ軽井沢)

 
・まるで美術館のような館内
地元長野県産の唐松を多く利用している館内は、木材の温もりが感じられ、環境への取り組みにも配慮しているといいます。廊下には、スペイン出身のイラストレーターであるルイス・メンド氏による軽井沢にある場所や景色をモチーフにしたアートが飾られ、まるで美術館のよう。
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「会話が生まれることを意識した」という通り、1枚の絵から創造力が掻き立てられる(ホテルインディゴ軽井沢)


・開放感があり心地よい客室
リバーサイドのビューバスタイプの客室は、ベッドスペースからリビング、ビューバス、バルコニーと続くように配され、外と繋がるような開放感があるデザイン。どこにも行かずお籠りしたくなる心地よさ。
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客室のアートはオーストラリア出身で軽井沢在住の木版画家テリー・マッケーナ氏の作品など(ホテルインディゴ軽井沢) 

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浅間山をイメージしたという銅板アートには、木彫りのリスが! 癒されます(ホテルインディゴ軽井沢)


・身体にやさしい朝食ビュッフェや地元食材をメインとした夕食
ダイニング「KAGARIBI」は、夜は地元食材をメインとしたイタリアン、朝食ビュッフェでは、地元の柳沢農園の野菜、スムージーやジュースが彩りよく並び、心も体も喜ぶ、健康的なビュッフェ。朝からテンションが上がります。
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テラス席もあり、地元の別荘族がワンちゃん連れで訪れる(ホテルインディゴ軽井沢) 

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テンションが上がる朝食。控えめにとってもこのボリュームに(ホテルインディゴ軽井沢)

軽井沢は観光地も多いですが、ここではできれば2泊以上で、のんびりと客室で本を読んだりお茶をしたり、ゆったりと過ごすのがおすすめです。

※ホテルインディゴ軽井沢  
 

2つの国宝がある贅沢なネイバーフッド:ホテルインディゴ犬山有楽苑

名古屋駅から名鉄快速特急・特急で25分。ゆったりと流れる木曽川のほとり、国宝犬山城を臨む地に佇むのが、国内3軒目として2022年3月にオープンしたホテルインディゴ犬山有楽苑。宿へと続くアプローチも寺院のような落ち着きある佇まいで、期待に胸が高鳴ります。
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玄関前のアプローチ、庭園など散策スペースも多い(ホテルインディゴ犬山有楽苑)

館内へ入ると、正面には水盤が広がる庭園、山の上には国宝犬山城がそびえる絶景が目に飛び込んできます。
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刻一刻と変わる景色が美しい、ホテルロビーからの眺め。庭園は散策もOK(ホテルインディゴ犬山有楽苑)


・「有楽苑」とは
ホテル名にある「有楽苑」とは、隣接する日本庭園で、建築家堀口捨己氏の監修により築造されたもの。苑内にある茶室「如庵」は国宝に指定されており、茶人である織田有楽斎により京都に建てられたものが、激動の歴史の末、この地にたどりついたといいます。
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有楽苑にある国宝茶室「如庵」。宿泊者はカードキーを見せると無料で見学できる(写真提供:名古屋鉄道株式会社)

犬山城、そして木曽川とともに、ホテルインディゴ犬山有楽苑のネイバーフッドとして、館内にさまざまな形で表現されています。

・国宝茶室「如庵」をオマージュした丸窓
レセプションには、国宝茶室「如庵」をオマージュした丸窓、1300年の歴史がある木曽川の夏の風物詩「鵜飼」を表現したアートワークがあり、館内に入った瞬間から、ご近所の魅力を体感できます。
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鵜飼のアートワークには、犬山祭の衣装なども使われており、ネイバーフッドストーリーが満載のレセプション(ホテルインディゴ犬山有楽苑)

ロビーにある鮮やかなチェアは、犬山祭の主役ともいうべき13基の車山をイメージしたといい、華やかなのに一体感があるのも納得です。
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ホテルロビーからリゾートセンターを望む(ホテルインディゴ犬山有楽苑) 

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ザ・バー夜車山(よやま)。犬山祭の車山や国宝茶室「如庵」に施されている「暦張り」などをモチーフにしたデザイン(ホテルインディゴ犬山有楽苑)


・浮世絵風デザインが目を引く客室
客室は、犬山城と城下町、木曽川の流れを浮世絵風にアレンジしたデザインのアートウォールが。ベッドを木舟にたとえ、川に浮かんでいる様を表現するために、様々なデザインが施されています。
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ヘッドボードは鵜飼の木舟をイメージし、枕もとのランプシェードは鵜籠がモチーフ(ホテルインディゴ犬山有楽苑) 

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ネイバーフッドを見事に表現したアートウォール。中央には古地図が配されている(ホテルインディゴ犬山有楽苑)

ラグマットは、織田有楽斎が好んだ椿がモチーフ、テレビ下の壁は、国宝茶室「如庵」の暦張りをイメージし、テーブルの脚の部分は、犬山が発祥の“からくり人形”で使われる組みひもから着想したデザイン。客室だけでも語りきれないネイバーフッドストーリーにあふれています。

・景色からもネイバーフッドを体感
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テレビ下の壁は、国宝茶室「如庵」の暦張りのデザイン。描かれているのは暦ではなく犬山祭りの車山のからくり人形の設計図(ホテルインディゴ犬山有楽苑)

客室からの眺めは、木曽川、犬山城、有楽苑という3つのビュータイプがあり、景色からもネイバーフッドを体感できます。
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バルコニーにはソファも配されているので、犬山焼の茶器でお茶をしながらくつろぐのもおすすめ(ホテルインディゴ犬山有楽苑)


・犬山城や庭園を眺めながらいただく食事
朝日に照らされる犬山城や庭園を眺めながらいただく朝食はセミビュッフェで、メインは和食と洋食から選択するスタイル。
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ビュッフェコーナーでは、地元の人気ベーカリーのパンや、愛知県の絹姫サーモンを含めた、各地のサーモンの食べ比べなども提供する(ホテルインディゴ犬山有楽苑)

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和食は美しい器に三河湾の魚や地元のとろろなど、味もボリュームも◎(ホテルインディゴ犬山有楽苑)


・チェックアウト後のお楽しみも
チェックアウト後はぜひ街の散策を。お隣の有楽苑、そして国宝犬山城へも徒歩でアクセスOK。城下町は飲食店やお土産などが多く賑わっており、犬山祭の山車を見学できる「どんでん館」、「IMASEN犬山からくりミュージアム」では、犬山発祥というからくり人形の実演も見ごたえがあります。本物を見ることで、ホテルインディゴの世界観もしっかり感じることもできるはず。

※ホテルインディゴ犬山有楽苑
 
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国宝犬山城の天守から木曽川とホテル(右下部分)を望む

いかがでしたか? 各施設それぞれ個性があり、館内には他にもたくさんのネイバーフッドストーリーが隠れています。ぜひ実際に訪れて、宝探し気分で発見をしてみてくださいね。さりげなく置かれたように見える物にも、「ここにある理由……ストーリーがある」のがホテルインディゴのすごいところ。好奇心旺盛な方にこそおすすめしたいホテルです。
 

2023年9月、東京渋谷に国内4軒目となる「ホテルインディゴ」開業

ホテルインディゴは、2023年の秋には4軒目となる「ホテルインディゴ東京渋谷」を開業。
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ホテルインディゴ東京渋谷は、渋谷文化村通りで再開発中の大規模複合施設「道玄坂通 dogenzaka-dori」の上層階に開業

客室数は272室と国内のホテルインディゴとしては最大で、立地も今までの3軒のようなリゾートではなく街中。ホテルインディゴの最新施設となるホテルのネイバーフッドストーリーのコンセプトは「個性と色が混在し変化するジャングルシティ」。その世界観がどのように展開されるのか? 今から楽しみです。

ホテルインディゴのレストラン、カフェやバーは、宿泊者以外の外来利用もOKです。宿泊はもちろんですが、近くに訪れた際に、まずはカフェや食事で立ち寄って世界観を堪能してみるのもおすすめです。

※ホテルインディゴ公式サイト
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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