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長年のレス状態を“免罪符”にして、不倫に走る人は多い
不倫が成立するためには、2つの要素が存在します。1つは「夫婦として向き合えなくなった」こと。もう1つは「不倫相手と恋仲になった」こと。そもそも「既婚者でもOK(恋愛対象になる)」な異性との出会いがなければ、不倫は始まりません。そういう意味では、悪いのは配偶者だけではないともいえます。しかし、それ以前に夫婦の間で何の問題もなく仲良しであれば、どんな異性と出会おうと不倫に発展しなかった、とも考えられます。
夫婦間で起こる問題にもさまざまなものがありますが、中でも「長年のレス」は性欲に影響を及ぼすため、浮気や不倫を招く原因になりがちです。本来、営みの有無にかかわらず性欲は個人でコントロールすべきですが、たまたま「恋愛(あるいは肉欲)に発展しそうな異性」と出会ってしまったときに魔が差してしまうのは、やはり「満たされていない」タイミングであることが多いようです。
一度きりならば「浮気」で終わる関係も、二度三度と継続していけば、それは立派な不倫。「魔が差した」などという言い訳は通用しません。しかも不倫に走ってしまった側は「配偶者とレス状態だからしょうがない」と自身に免罪符を与えることで、罪悪感を薄めてしまうのです。
「アウトソーシング化」を進める夫婦もいるが……不倫との違いは?
たとえば妻の側が「したくない」でレス状態が続いたのち、夫の(性欲解消の)アウトソーシング化を許可する話はわりとよく聞きます。あえての浮気も夫婦間で合意しているならば、それは離婚の原因とはなりません。しかし実際にアウトソーシング化を提案した妻たちに聞いてみると「風俗のみOK」「一夜限りの浮気まで」などのルールを設定していました。浮気と不倫の大きな違いは、そこに恋愛(のような)感情があるかどうか。たとえスタート時点では“遊び”であっても、継続的な男女関係を築くうちに恋心が芽生えてしまったら、それは不倫の始まりです。
夫婦関係を維持していくためのアウトソーシング。しかしそれが離婚の原因となってしまっては意味がありません。だからこそ不倫を容認したくはないのでしょう。
レスだからといって、愛情までなくなっているとは限らない
たとえ夫婦間でレス状態が続いていても、愛情まで目減りしているとは限りません。“したくない”理由もさまざま。配偶者相手に限らず、行為そのものを「したいと思えない」メンタルになってしまうケースもあれば、肉体的に「できない」状態になってしまうこともあるでしょう。一方「したいのにできない」「したいけどさせてくれない」ことに悩む側としては、愛情があるからこそ配偶者の「したくない」を尊重しています。しかしそれが長引くうちに「満たされない」状態が苦しくなってしまうのです。
そもそも、行為そのものが愛情とイコールではありません。だからこそ「好きだけどしたくない」感情も成立するし、「愛情はないけどしたい」欲求もあるわけです。性欲の男女差についても、夫婦間で分かり合えないことは多々あります。
結婚して夫婦になったことで、配偶者以外の相手と深い関係になれば、それは「不倫」です。行為のアウトソーシング化は単なる対処法のひとつ。夫婦間のレス問題が根本解決するわけではありません。
「夫婦の間に夜の営みは不要」だと互いに納得していても、配偶者が他の相手と不倫していると知れば、嫉妬の感情がわくこともあります。だからといって「不倫されない」目的で営みの欲求を受け入れられるかといえば「無理」なのが、夫婦間のレスの根深い問題でもあります。
「分かり合えないこと」は理解するのではなく、受け止める努力を
夫婦のレス状態は、決して不倫を許す免罪符ではありません。不貞はあくまで不貞。配偶者への裏切り行為であることを認識すること。万が一、一線を越えてしまったときは「離婚されるかもしれない」覚悟をすること。いくら夫婦であろうと、分かり合えないことはたくさんあります。「分かり合えないこと」を理解しようとしても、苦労するだけ。理解に苦しむ価値観や考え方の相違は「〇〇については分かり合えない」という事実のみを認識するだけでいいのです。あとは、ふたりにとっての最適解を一緒に探っていきましょう。くれぐれも、話し合いを避けたまま、浮気や不倫に逃げる「クズ」にだけはならないで!
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