女性の職業別年収、平均データは?
働く女性が増えていますが、職種によって年収はどのようになっているのでしょうか? 令和3年賃金構造基本統計調査(厚生労働省)のデータをもとに、職種別での平均年収のトップ20と女性労働人口が多い20職種の平均年収をみてみましょう。女性の職業、年収1位は医師で1053万円
図は、女性の職種別年収からトップ20を抜き出したものです。年収は、決まって支給する現金給与額(月額)と賞与などの特別給与額(年額)から計算しています(月額現金給与額×12+年額賞与など特別給与額)。
平均年収トップは、「医師」で平均年収1053万円でした。唯一の平均年収1000万円超えです。注目したいのは年齢と勤続年数。平均年齢39.9歳、勤続年数6.4年と、他の職種より若く勤続年数も短くても、1位となっています。勤務医の後に独立して、さらに稼ぐ医師も少なくないでしょう。
2位は大学教授で平均年収998万円
2位は、「大学教授」で平均年収998万円です。大学教授は平均年齢58歳と、トップ20の中で一番平均年齢が高くなっています。「大学准教授」は平均年齢50.5歳で年収820万円、「大学講師・助教」は平均年齢43.1歳で年収649万円となっています。大学の教員として、ステップアップをしていくと、順調に年収があがっていく様子がわかります。3位は裁判官、検察官、弁護士などで平均年収879万円
3位は「法務従事者」で平均年収879万円でした。「法務従事者」とは、裁判官、検察官、弁護士など司法に関連する専門的な仕事に就いている人。また、4位は「経営・金融・保険専門職業従事者」で、平均年収は872万円。「経営・金融・保険専門職業従事者」は、財務会計、人事労務に関するコンサルティングや財務監査、税務指導、また資産運用や金融取引に関する助言や投資戦略の設計などの仕事に就いている人。経営、金融のコンサルなどを行う専門家です。このように法律や経営、金融のスペシャリストも高収入となっています。他にも、学校教員、システムコンサルタント、研究者、公認会計士・税理士などのスペシャリスト、助産師、薬剤師、歯科医師、獣医師などの医療関係がランクインしています。
パイロットも高収入
前回の調査では、パイロット(航空機操縦士)が3位で平均年収893万円でした。しかし今回の調査では、ランク外の平均年収413万円となっています。というのも、平均年齢25歳とかなり若い年齢が中心での結果となりました。ちなみに、男女あわせた航空機操縦士の平均年収は1072万円、平均年齢は41.1歳となっており、女性パイロットでも働き続けると高収入となるでしょう。女性労働者数トップは看護師で平均年収495万円
図は、職種別の女性労働者数順に、平均年収と年齢を並べたものです。女性の労働者数のトップは、看護師で平均年収495万円。他の職種と比べても高い水準であることがわかります。
介護職員は平均年収338万円
次に労働者が多かったのが「介護職員」。平均年収338万円で、看護師より平均年齢が高いものの、年収は150万円ほど低くなっています。看護師の給与の高さがよくわかります。総合事務員は平均年収404万円
労働者数3位は「総合事務員」で平均年収404万円となっています。「総合事務員」は複数の事務を行っている人です。主に、正社員として働く会社員を指していると考えられます。課長以上の管理職平均年収729万円!
労働者数中で一番高所得なのが「管理的職業従事者」で平均年収729万円。「管理的職業従事者」とは、課長以上の管理職。平均年齢も49.8歳と高めとはいえ、年収700万円超えと高所得です。販売・製造・調理は200万円台と低め
この女性労働人口が多い20職種の中で、平均年収が低いのは、「販売店員」279万円、「食料品・飲料・たばこ製造従事者」260万円、「飲食物調理従事者」273万円。いずれも平均年齢は40歳代と他の職種とは大差ないものの、給料は少なくなっています。販売、製造、調理系の職種は、時間給で計算されることが多いため、収入は伸びないようです。女性の平均年収を見てきました。
女性は、出産育児などでいったん仕事を辞め、低賃金な仕事で復職する例が多く見受けられます。ただ、キャリアを積んだスペシャリストや管理職などは、高収入を得ていることもわかります。人生100年時代、女性もしっかりと稼げるようにキャリアプランを考えたいものです。
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