20万円に大化けした現行の10円玉! 財布や釣り銭の中から探してみよう
今回は、7月16~17日に開催されたAWコインオークション(第29回オークション)から、現行の10円玉の落札結果を取り上げます。その金額を聞いてびっくりされる方もいると思います。一体どのような結果であり、なぜそうなったのか、解説していきます。
手数料含んで22.2万円。10円が2.2万倍に
AWオークションは、フロア(会場)オークションとインターネットオークションを開催しています。これまでフロアオークションに関しては29回の実績があります。今回のオークションで密かに注目したのが、Lot番号205の10円青銅貨(ギザなし)、昭和61年、PCGS(MS65RD)です。現行の10円玉は、大きく2種類に分けられます。縁がギザギザになっているギザ十と、ギザがない普通の10円です。ギザ十は昭和26年(1951年)から昭和33年(1958年)の間にのみ製造され、お釣りや両替で受け取ったときに集めているという方もいることでしょう。その中でも、特に未使用~完全未使用レベルのものがあれば高値で取引されます。
しかし今回高値で落札されたのは、ギザ十ではありません。実は昭和61年の10円玉には前期と後期という2種類があるのをご存じでしょうか。このうち後期のものが大変希少であり、デザインが前期と異なるのです。実は、昭和61年の後期の10円玉は、収集家用に特殊加工された昭和62年の10円玉と同じデザインとなっています。
昭和61年後期の10円玉(オークションワールドより)
- 翼廊の屋根の先端が前期は鈍角に対して後期は鋭角であること
- 屋根の先端が前期は切れ目があるのに対して後期は鋭角で切れ目がないこと
- 中央階段の縁が前期は縦線で分離されているのに対して後期はひとつなぎであること
昭和61年の後期10円玉がないか探してみよう
未使用レベルの昭和61年後期10円玉を探すのは難しいかもしれません。とはいえ、毎年未使用の硬貨を収集している、収集していた方であれば、もしかしたら状態の良い後期の10円玉が発見できる可能性もあります。また、普段の釣り銭や両替でも昭和61年の10円玉がないかどうか探してみましょう。ほとんどが前期にはなるものの、偶然後期を発見する可能性は誰にだってあり得ます。このようなプレミアムコインが普段使っている硬貨にあると思って財布の中身などを探してみると、毎日の生活が少し楽しくなるかもしれません。どうせないと思わず、あったらラッキーと思って10円玉を確認してみましょう。
<参考>
Lot 205 日本 十円青銅貨(ギザなし) 10Yen Plain edge 昭和61年(1986) PCGS-MS65RD(オークションワールド)