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参議院選挙とは? わかりやすく仕組みを解説。何を決める? 何が変わる?

参議院議員選挙(参院選)とは何を決める選挙なのか、選挙結果次第で社会の何が変わるのか、今ひとつわからない人も多いと思います。今回はそのような人のために仕組みなど超基本情報をわかりやすく簡単に解説します。

西村 創

執筆者:西村 創

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参議院選挙とは? 仕組みをわかりやすく簡単に解説します


参議院議員選挙(参院選)とはそもそも何なのか、何を決める選挙なのか、選挙結果次第で社会の何が変わるのか、今ひとつわからない人も多いと思います。今回はそのような人のために、仕組みなどの超基本情報をわかりやすく簡単に、解説します。
 

「参議院」と「参議院選挙」とは? わかりやすく簡単に仕組みを解説

そもそも参議院とは何でしょうか。まずは学校で学んだ国会の仕組みから復習です。日本では、新しい法律を作ったり、国民から集めた税金の使い道を決めたりするために、国会で話し合いが行われます。でも、国民全員が国会に集合するのは無理ですよね。そこで、国民が自分たちの代わりに国会で話し合いに参加して意見を述べてくれる人を選ぶのです。そのことを「選挙」といいます。

話し合いが行われる国会には、衆議院と参議院があります。衆議院と参議院を置くことで、両院の間でも話し合いが行われます。もし、衆議院と参議院のどちらかひとつしかなければ、そのひとつの院だけの話し合いで極端な意見が採用されるかもしれません。そこで、2つの院を置いて、両院の間でも話し合いが行われることで、意見が極端にならない議論ができるのです。

参議院の選挙は、「通常選挙」といいます。参議院の議員は3年ごとに議員の半数を選びます。一方、衆議院の選挙は、「総選挙」といいます。衆議院議員は参議院とちがって、議員全員を一気に選び直すので、「総」選挙というのです。

国会の衆議院と参議院は対等の関係ではありません。衆議院と参議院、それぞれで話し合って出した結論が反対だったらどうなるのでしょう。これは、衆議院で決めたことが、国会の決めたことになるのです。

ということは、参議院は衆議院よりも弱い立場なのでしょうか。

そんなことはありません。衆議院議員の任期は4年、解散もありますが、参議院の任期は6年で解散もありません。もともと参議院は、日本国憲法ができる前、大日本国憲法の時代の貴族院です。4年間で議員全員が選び直される衆議院は、良くも悪くも国民の最近の意見に左右されます。そこで参議院が、衆議院を長期的な視点で監督するのです。そこで参議院は「良識の府」と呼ばれているのです。
 

 参議院選挙によって決まること、変わること

参議院選挙は衆議院選挙と違って、結果によってすぐに政権が代わることはありません。すぐに代わることはないのですが、2009年、2012年の政権交代は、どちらも参議院選挙で、与党が負けたことがきっかけになりました。

2007年の参議院選挙では、与党の自民党が野党の民主党に大負けしました。その後、2009年の衆議院選挙で民主党が与党になったのです。

2010年の参議院選挙では、消費税増税についての菅氏の発言などで民主党が野党の自民党に大負け。その後、2012年の衆議院選挙で自民党、公明党が与党になりました。

このように、参議院選挙によって、すぐに政権が代わることはないものの、参議院選挙の結果によっては、次の衆議院選挙で政権が代わるきっかけになるのです。このことから、衆議院選挙は与党にとっての「期末テスト」、参議院選挙は「中間テスト」のような位置付けといえます。

2022年の参議院選挙は、野党最大の立憲民主党の代表が枝野幸男氏から泉健太氏に交代したばかり。野党の各党がどう手を組むかが見えないことから、自民党有利と評されています。

でも、新型コロナウイルスの感染拡大、急激な円安、そしてさまざまな商品の値上げラッシュによる国民の不満が高まれば、その不満は与党である自民党に向けられます。2022年の参議院選挙で自民党が大負けするようであれば、首相交代もありえるのです。
 

選挙で若者が投票する意味

日本は2007年に超高齢社会に突入して、高齢化の勢いはさらに増しています。そうなると、選挙に立候補した人は、人口が多い高齢者に選んでもらうために、高齢者が喜ぶ政策を掲げます。実際、高齢者の年金や介護の予算は年々増えています。すると、その予算を確保するため、働く人が負担する税金が高くなるのです。

このようにして日本は、若者の負担が増え、子供が減り、さらに高齢化が進むという悪循環に陥っています。子供たちや高齢者を支えるには、現役の社会人が生き生きと働いて、幸せに生活できる日本にしていく必要があります。

ただ、残念ながら、若者層の投票率は非常に低いのが実情です。前回の参議院選挙では、60代の投票率が60%台だったのに対して、10代から30代の投票率は30%台でした。若者の投票率が低い理由は「選挙への関心のなさ」です。

でも、選挙に関心のない人にこそ、投票をおすすめします。

「関心がないから投票しない」のではなく、「投票しないから関心が持てない」といえるからです。1票を投じることによって、自分が投票した人にはどれくらい票が入ったのか、どんな人が当選したのだろうかと、選挙結果に関心が生まれます。そのような人がひとりでも増えていくことが、若者の生活が向上する第一歩なのです。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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