1964年の東京五輪1000円銀貨に注目集まる
東京五輪と聞くと、どうしてもつい最近の東京2020五輪を思い出してしまいますが、今回注目が集まったのは、その前の1964年開催時に発行された東京五輪1000円銀貨。この東京五輪1000円銀貨は、わが国で初めて発行された記念貨幣であり、貨幣収集ブームのきっかけをつくったことでも知られています。実はひそかに、この東京五輪1000円銀貨で状態のよいものが、高値で取引されるようになってきているのです。一体どれぐらいの金額になっているのでしょうか?
トップランク品はコインオークションで36万5000円
5月21日(土)に横浜で開催されたコインオークションでは、驚くべき価格で落札されました。その価格は36万5000円。1000円銀貨が、なんと単純計算で365倍の価格になったのです。「え?」と思われた方も多いことでしょう。東京五輪1000円銀貨は1500万枚発行されており、実は多くの方が持っていると思われます。実家を探せば出てくるかもという方も多いのではないでしょうか。
実はこの落札された東京五輪1000円銀貨は、PCGSという鑑定会社が「MS68」というグレードを付けたもので、このグレードは鑑定された1000円銀貨の中でトップに位置するものだったのです。
筆者所有の東京五輪1000円銀貨。こちらはグレード「MS66」
保存状態が良ければ大化けする可能性あり
この68評価が付いた東京五輪1000円銀貨は、2022年5月現在、PCGSの鑑定では62枚存在します。62枚もあると思われるかもしれませんが、発行枚数を考えると相当少ないことが分かります。とはいえ、チャンスはあると思われます。自宅に保管してあるという方は状態を確認してみてください。保存状態が良ければ、このように大化けする可能性があります。PCGSへの鑑定は、泰星コイン、ワールドコインズ・ジャパンといった日本のコイン販売業者が鑑定代行を行っていますので、問い合わせてみましょう。
なお、通常の東京五輪1000円銀貨は、未使用レベルでも2000~3000円程度です。鑑定料金も考慮すると、これぐらいの価格のものはあまり鑑定に出す意味はないかもしれません。あくまでトップグレード品だからこその大化け価格であるので、傷がある・手に触れてしまっていた・洗浄したなどの場合には高いグレードは基本的につきませんのでご注意ください。