モバイル回線で固定電話番号での発着信が可能に
中でもここ最近注目されたのが、NTTドコモが2022年3月より提供開始した「homeでんわ」というサービス。同社はモバイル回線を固定ブロードバンド回線の代わりに使用する「home 5G」を2021年8月より提供していることから、それに合わせて、光などのブロードバンドが引けない家で固定電話を使いたいというニーズに応えるサービスとしてhomeでんわを提供するに至った訳です。・実はKDDIやソフトバンクも以前から提供している
こうしたサービスを提供しているのはNTTドコモだけではありません。KDDIは同種のサービス「ホームプラス電話」を、ソフトバンクも「おうちのでんわ」を提供しており、実は意外と古くから存在するサービスでもあるのです。
モバイル回線で固定電話をするというのはいまいちピンと来ない人もいるかと思います。仕組みはスマートフォンで通話するのと大きく変わらず、4G(LTE)のモバイル回線を用いて音声通話をするのですが、そこに固定電話番号による発着信ができる仕組みを加えたのが、これらサービスの特徴なのです。
従来の固定電話との違いは
その使い方も非常に簡単で、モバイル回線の電波が入る場所に置いてコンセントを挿し、そこに今まで使っていた固定電話機を電話線でつなぐだけ。当然ながら工事の必要はないので誰でも手軽に始められますし、音声通話だけでなくFAXの利用も可能です。またいずれのサービスも、発信番号表示や割り込み通話、着信転送など音声通話に関する基本的なサービスはオプションとして提供されています。固定電話を多く利用する人なら、必要に応じてそれらを契約しておくと便利でしょう。
・料金
ただモバイル回線を用いることから、従来の固定電話サービスとは異なる点もいくつかあります。1つは料金で、従来の固定電話とは異なるサービスの契約が必要なことから月額基本料も変わってきますし(月額1078~1463円)、通話料も携帯電話宛は1分17.6円ですが、固定電話宛は市内・市外の違いなく一律で3分8.8円というものが多いようです(ホームプラス電話は県外通話が3分16.5円となる)。
・緊急通報の扱い
そしてもう1つ、大きな違いとなるのが緊急通報の扱いです。実はモバイル回線を用いた固定電話サービスには、固定電話の番号だけでなく「070」「080」「090」から始まる携帯電話番号も割り当てられており、仕様上緊急通報を発信する際は、携帯電話番号の方から発信する形となってしまうのです。
それゆえ固定電話から緊急通報をした場合、緊急機関に伝わるのは携帯電話番号となるため混乱してしまうことがあるかもしれません。混乱しないためにも携帯電話番号を分かりやすい場所に明記しておく、固定電話の番号を口頭で改めて伝えるなどの対応が必要になってくるでしょう。
固定回線が引けない人に便利なサービス
では、モバイル回線を用いた固定電話サービスはどのような人が利用すべきか?といいますと、今まで固定電話を使っていた人が、固定ブロードバンド回線を引けない住宅に引っ越した時ではないでしょうか。そうした所に住む際は、先の「home 5G」など携帯各社が提供する固定ブロードバンドの代替サービスを利用するケースが多くなるので、そちらとセットで利用するのがベストだといえます。実際携帯3社は、モバイル回線を使った固定ブロードバンドと固定電話の代替サービスをセットで契約すると基本料を割り引くサービスを提供しています。なるべく契約するサービスを同じ会社で合わせた方がお得だということは覚えておくべきでしょう。 またこれらサービスは単体で契約することも可能なので、「ネットはスマホでするので光は要らないが、固定電話は欲しい」という人が契約して利用するのも悪くありません。ケーブルに縛られないことを生かしてさまざまな活用方法を考えてみるのもいいのではないでしょうか。
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