Q：在職老齢年金の計算、企業年金も年金収入に含まれますか？
「65歳になる夫の給与は月29万7000円、年金額は月15万9000円（加給年金含む）。企業年金は月4万9800円。この場合、在職老齢年金の計算をすると、総合計で48万円を超えてしまいますが、企業年金も年金収入に含まれますか？」（ぐっちさん）
在職老齢年金の計算に企業年金は含まれる？
A：企業年金は「代行年金（国の代行部分）」のみを在職老齢年金の計算に含みます
そもそも企業年金とは、「代行年金（国の代行部分）」と「基金独自の上乗せ年金」の2つの要素から成り立っています。企業年金は「代行年金」のみ在職老齢年金の計算に含めます。相談者が月15万9000円もらっている年金額の内訳を以下と仮定します。
・老齢基礎年金／月6万6000円
・加給年金額／月3万2500円
・老齢厚生年金／月6万500円
それから、企業年金の代行年金は仮に月4万8000円とします。65歳以降の在職老齢年金の計算に含めるのは、老齢厚生年金である月6万500円、企業年金の代行年金月4万8000円です。このとき、老齢基礎年金や加給年金額は、在職老齢年金の計算には含めません。
ちなみに相談者の月給は29万7000円とのことなので、標準報酬が30万円、賞与はなしと仮定します。在職老齢年金の支給停止を判断する計算式は以下のようになります。
総報酬月額相当額（ここでは標準報酬）30万円＋老齢厚生年金6万500円（月額）＋企業年金4万8000円（月額）＜基準額48万円（令和5年4月より）
この場合は、基準額の48万円以内におさまっていますので、65歳以降は、在職していても年金は全額支給されます。もし48万円超えている場合は超えた分の2分の1の額が支給停止となり、老齢厚生年金月額から差し引かれます。
ここでは代行年金（国の代行部分）を4万8000円として計算しましたが、正確な数字を確認して計算してみてください。
※年金プチ相談コーナーに取り上げてほしい質問がある人はこちらから応募するか、コメント欄への書き込みをお願いします。
