ニューリッチへの道

急激な円安で物価上昇しても低賃金…逆境に負けないマネー術

コロナの影響による物流の混乱に加え、ロシアによるウクライナ侵攻、そして急激な円安で、これが続けば輸入物価に跳ね返るのは時間の問題です。一方で給料は上がらないことから、望ましくないインフレ、スタグフレーションの兆しが出ています。

午堂 登紀雄

執筆者:午堂 登紀雄

ニューリッチへの道ガイド

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スタグフレーションに備えよ!

コロナの影響による物流の混乱に加え、昨今は急激に円安に振れており、これが続けば輸入物価に跳ね返るのは時間の問題です。ただでさえロシアによるウクライナ侵攻を受け、小麦や原油などが値上がりしているというのに、さらに物価高に拍車をかけます。

原油価格が上がれば、電気代やガソリン代はもちろん、原油由来の樹脂製品などの値段も上がります。米や鶏肉、豚肉などは国産だから大丈夫かと思いきや、肥料や農薬、飼料は輸入に頼っていますから、当然影響は受けます。

ウッドショックで戸建ても値上がりし、部材価格上昇でマンション価格も値上がりするでしょう。今後数年をかけて、家も車も家電製品も消耗品も、おそらくあらゆるモノの値段が上がっていくのでは?という懸念を持っています。
 
一方で給料は上がらない。つまり所得は増えないのにインフレになるという、いわゆる「スタグフレーション」が現実になろうとしています。そこで、手軽にできることから長期的な備えにわたる「スタグフレーションへの対策」について、私の考えをご紹介します。
 

対策1:固定費の削減を検討する

真っ先に手を付けたい家計防衛策は、固定費の削減です。固定費は収入が増えても減っても、同じだけかかります。しかし、一度手続きをすれば、努力しなくても半永久的な効果をもたらしてくれる効果があるからです。

たとえば賃貸に住んでいる人なら、家賃の安い物件に引っ越しするとか、家主に家賃の減額交渉をするとか。また、住宅ローンがある人なら、金利交渉や借り換えをする。カード明細や通帳を見返し、あまり使っていないのに会費がかかっているものがあれば、退会手続きをするなど。削減できる固定費がないか、一度検討してみてください。
 

対策2:スマホ・通信環境の見直しをする

固定費の中でも負担が増しているのは、通信費だと思います。ドコモが仕掛けた価格競争を発端に、スマホ業界に地殻変動が起こっているのはご存じの通りだと思います。経済的に最も有利な選択ができるのは、「自分のスマホの使い方を把握し、各社のプランを比べ、自分に最適な業者・プランはこれ」と考えられる人です。

逆に不利になる人は、「面倒だから今までと同じでいいや」です。考えない人は、より賢い人に搾取されてしまいます。また、5G全盛の時代になれば、モバイルWi-Fiや自宅の光回線すら必要なくなる可能性もあり、通信費が劇的に安くなろうとしています。
 

対策3:クレジットカードとQR決済を賢く使う

キャッシュレス社会が進展する現在、クレジットカードやQR決済を利用しない手はありません。しかし、業者によって還元率がまったく違います。新たに魅力的なプランが次々と出てくる一方、逆にポイント還元率の引き下げといった「改悪」のパターンもあります。これもスマホ料金と同様、いかに情報収集し比較するかという面倒くささとの戦いです。
 

対策4:副業で収入をオンする

今後も給料は上がりにくい傾向が続くと思われます。従来は企業が資金を溜め込み(内部留保)、従業員に還元していないという批判がありましたが、コロナ禍でも雇用を守れるのは、その溜め込んでいた資金があったからだ、という主張が通るからです。

なので給料が上がらないリスクに備え、個人は勤務先の規則に準じて、副業などに取り組む必要があるように感じます。リモートワーク・テレワークが普及し、自由に使える時間が増えましたから、取り組む人と何もしない人との間には、大きな格差が生まれるでしょう。
 

対策5:金利上昇に備えてローンを見直す

アメリカは金融緩和から引き締めに舵を切りましたから、日本もその影響を受け、長期的には金利上昇の懸念があると予測しています。2023年には日銀総裁の交代が予定されていますから、金融緩和方針も変更される可能性があります。

そこで、ローンを組んでいる人は固定金利への切り替え、もしくは繰り上げ返済です。目立った金利上昇はもうしばらく先だと思いますが、常に金利の変動に注視して借り換えの準備、あるいは繰り上げ返済できるよう、現預金を厚くしておくなどです。
 

対策6:インフレに備えて資産割合を見直す

冒頭の通りインフレ傾向が強くなることが予想されますから、対策としては株や不動産といった物価に連動しやすい資産の割合を増やすことです。逆に定期預金や保険商品の多くは、インフレとともに目減りしますから、こういったポジションを減らしていくことです。
 
私の個人的な運用を紹介すると、不動産、太陽光発電、個別株、インデックスファンド積立、商品先物、日経225先物指数、NYダウ先物指数、FX、仮想通貨、仮想通貨のマイニングなど、ほぼ全方位に投資しています。

そして、ロシアのウクライナ侵攻で暴落したのを機に積み増ししたのが、米国株です。特に連続増配している高配当銘柄に投資をしています。

■なぜ米国株に注目するのか
アメリカは移民を受け入れており、人口が増加し続けています。人口が増えれば住まいも必要だし、消費もします。さらに他の先進国と違い、少子化問題もほとんどありません。そして彼らが大人になればやはり結婚して、家や車を買ったりするでしょう。

つまり内需は右肩上がりであり、それは当然企業業績にも跳ね返り、途中で株価の乱高下はあったとしても、長い目で見れば右肩上がりではないかというのが私の推測です。あくまで私個人の予想ですから外れるかもしれませんが……。

■なぜ長期連続増配の高配当銘柄を狙うべきか
高配当が好ましいのは言うまでもないと思います。株価が乱高下しても、あるいは下落して含み損が出ていても、保有し続ければ配当が得られるので、右往左往する必要がないからです。仮に暴落局面が来たらむしろラッキーで、買い増しすればいいのです。
 
ただし、暴落して業績も下がれば配当金も減る可能性があります。そこで長期連続増配銘柄です。長期的に増配を続けている企業は、業績が安定し事業構造も強靭であると考えられ、減配のリスクが他銘柄よりも低いであろうという判断です。
 
実際調べてみると、一度も配当を減らすことなく、30年以上ずっと増配を続けている銘柄が30もあり、中には50年も60年も連続増配している銘柄もあります。そういう銘柄に投資を始めました。特に米国株は日本株とは異なり1株からでも買えるので、資金が少ない人でもハードルは低いと思います。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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