年金・老後のお金クリニック/厚生年金の長期加入者の特例(44年特例)についてのQA

69歳、厚生年金に44年間加入し現在、厚生年金を受給しています。近々、再び厚生年金に加入して働きます

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に、専門家が回答します。今回は、44年間厚生年金に加入し年金を受給している人が、再び厚生年金に加入して働く場合についてです。年金についての質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。

拝野 洋子

執筆者:拝野 洋子

ファイナンシャルプランナー・社会保険労務士 / 年金・社会保障ガイド

  • Comment Page Icon
老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に、専門家が回答します。今回は、44年間厚生年金に加入し年金を受給している人が、再び厚生年金に加入して働く場合についてです。年金についての質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。
 

Q:過去に厚生年金に44年間加入し、年金受給しています。これから厚生年金に加入して働くと年金は減額されますか?

「私は、過去に厚生年金に44年間加入し、69歳となった現在では厚生年金を受給しています。近々、厚生年金加入条件のある会社に再び就労します。現在の老齢厚生年金受給額が減額されるのでしょうか? 就労先の収入は月11万円ほどです」(69歳)
 
69歳から厚生年金に加入して働くつもりです

69歳から厚生年金に加入して働くつもりです

 

A:65歳を過ぎている場合、標準報酬月額(月給)・標準賞与額(賞与÷12)と年金月額の合計が48万円超えなければ、老齢厚生年金は減額されません

厚生年金に加入して働くと、収入によっては、老齢厚生年金額が調整されることがあります。これを「在職老齢年金」といいます。

65歳を過ぎた人の在職老齢年金は、年金月額と収入(標準報酬月額と直近1年間の標準賞与額÷12)の合計が48万円を超えると、老齢厚生年金が調整されます。
 
現在69歳で、老齢厚生年金を受給している相談者は、近く厚生年金に再び加入して、月に約11万円(交通費その他の手当を含み、賞与はなしと仮定)で就労するとのことですが、現在受給している老齢厚生年金が月額37万円以内(つまり48万円-月収11万円=37万円)であれば、年金は減額されません。
 
なお、現役時代に44年以上、厚生年金に加入した人は、退職後、支給開始年齢(性別・生年月日に応じて60歳から64歳)から65歳までの間に「長期特例の特別支給の老齢厚生年金」が支給されます。ただし、この制度は60代前半のみに適用されるものです、相談者は69歳、すでに長期特例の特別支給の老齢厚生年金の対象者ではありません。つまり就労しても、年金に影響はありません。
 
在職老齢年金は老齢厚生年金に適用される制度です。老齢基礎年金については影響はなく、報酬の高低にかかわらず、老齢基礎年金は減額されることはないので、覚えておいてください。

※年金プチ相談コーナーに取り上げてほしい質問がある人はこちらから応募するか、コメント欄への書き込みをお願いします。

【関連記事をチェック!】
18歳から会社員。63歳になる前に、年金の44年特例で、退職を選択してもいい?
定年を延長する人は厚生年金44年加入特例も要チェック
 
【編集部からのお知らせ】
・「家計」について、アンケート(2024/11/30まで)を実施中です!

※抽選で30名にAmazonギフト券1000円分プレゼント
※謝礼付きの限定アンケートやモニター企画に参加が可能になります
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます