Q:日経平均株価が下落している場合、どんなETFを買っておくといいですか?
「世界情勢が不安定なため、株式だけで資産運用をしていることに不安を感じています。日経平均株価の下落が続くような場合、どんなETFを買っておくと、リスクヘッジになりますか?」(40代・会社員)A:ETFの種類は豊富、下げの要因で選別することが必要に
ETF(上場投資信託)は、特定の商品価格や指数に連動するように設計された商品です。株式などと同様に上場されており、いつでも購入・売却が可能です。株式と同様に信用取引も行えます。一般的な投資信託に比べてコストが安く、透明性に優れ、流動性が高いなどのメリットがあります。当初は日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)に連動するETFでスタートしています。2007年に金融庁の金融・資本市場競争力強化プランで、ETFの商品多様化の方針が打ち出されています。さらなる規制緩和もあり、金などの商品、REIT(不動産投信)、新興国株式などのETFが登場しています。
日経平均株価が下落している際のETFの選別法ということですが、これが最適というような断定的な選び方は難しいと思います。日経平均株価(=東京株式市場)が下落している要因によって異なるからです。
今年に入って、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻は、世界の株式市場を揺らしています。欧米では対抗措置としてロシアへの経済制裁を強めています。ロシアは原油や天然ガス、レアメタル、さらには小麦などの産地であり、ロシアがこれらの供給を絞るとの見方もありますし、アメリカはロシア産原油などの輸入禁止を表明しています。
株価の下落、資源高が継続すると考えるなら原油、小麦、ニッケル、アルミニウム、金などの価格に連動するETFがヘッジ(保険つなぎ)として有望かもしれません。
また、日本の人口が減少して成長力が低下することが株価下落の要因と考えるのであれば、人口が増加し、これから経済成長が見込めるアメリカ、インド、ベトナム株式の指数に連動するETFをヘッジとして選ぶなどの方法もあります。
繰り返しになりますが、日経平均の下落の要因をどう考えるかがETF選別のポイントになりそうです。なお、ETFには流動性に乏しいものもあることには留意しましょう。また、選び方を誤るとヘッジにならず、想定外の損失を被る可能性があることも念頭におく必要があります。
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