家族そろって本やボードゲーム、文房具などが好きなのですが、気力と体力を消耗してしまうものはたまにしか使われず、気軽に楽しめるものばかりが今回ご紹介する2021年買ってよかった知育・学習グッズに登場しています。忙しい中でも「このゲームの間だけは」「この話をしているときは」と、子どもに集中することで、より充実した時間を過ごせたように思います。
また、どれも知育や学習のために使い始めたわけではないものの、広い意味で、学力の育成につながっているとも感じています。本来、遊びだけでなく、学びも、楽しくてワクワクするもの。「勉強はつまらない」と思っているお子さんにも、「こんなに楽しいのに、勉強に役立った」「楽しく勉強できるんだな」と実感してもらえるのではないでしょうか。
1. パンデミック
世界中に広がるウイルスを駆除しながら、ワクチンを完成させるボードゲーム。参加者全員が連携する協力型のゲームのため、負けても子どもが不機嫌にならないのが、親としてのおすすめポイントです。2人から遊べて、早ければ30分程度で終えられるので、手軽なのもうれしいです。新型コロナウイルス感染症の流行の前から遊んでいたのですが、このゲームのおかげで、息子は感染やワクチン、変異種などについてスルッと理解していました。世界地図や都市名も自然と頭に入るようです。
ちなみにわが家は拡張版「迫りくる危機」も合わせて購入。「猛毒株」「変異種発見」「バイオ・テロリスト」などを加え、ゲームの難易度を上げることができます。パンデミックは、13歳以上向けとされていますが、9歳の息子も、難易度高めのゲームを楽しんでいます。ただし、ルールに慣れるまでの最初の3回程度は、大人とペアで参加していました。
2. 万年筆「kakuno」(カクノ)
「kakuno」(カクノ)は、「万年筆とのはじめての出会いが、大切なものとなるように」という思いから生まれた万年筆です。大人が使っている万年筆にあこがれる息子へ、プレゼントしました。子ども向けといっても、海外製の万年筆を含めればかなりの種類があるため、どれを購入したらよいか悩むものです。わが家の場合、ペン先に「えがおのマーク」が付いていて書くときの向きがわかりやすいこと、カートリッジでインクの追加が簡単なことが、最終的な決め手となりました。
「持っているだけでうれしい」類の文房具としてあまり出番はないかと思っていたのですが、なんと、漢字の書き取りに飽きてしまったときに使われています。スピードを求めすぎてなぐり書きになってしまうのを、正しい書き方が決まっている万年筆という筆記用具が、強制的に、しかも気持ちよく止めてくれ、きちんとした楷書に仕上がっています。
汗でインクがこすれやすいのと、変な向きで力いっぱい書くとガリガリすごい音がするのが難点ですが、本人は、ゆったりと文字を書く楽しさを味わっているようです。
3. ブロックス
ボードのマスに形の異なるピースを置いていく、フランス発の陣取りゲーム。シンプルなルールなので、子ども同士、おじいちゃん・おばあちゃんなど、誰とでもすぐに遊べます。1ゲームは20~30分ほど。2人でもできますが、4人いた方がおもしろいと思います(3人でもできますが、イレギュラーなルールになるためやりづらさを感じます)。ブロックスで必要とされる戦略性とコミュニケーションが脳を活性化させるともいわれていますが(2018年、マテル・インターナショナル調べ)、計画性に乏しいと思っていた息子が、このゲームでは驚くほどよくボードを観察し、先を読むことに驚きました。
正直にいうと、私は疲れているときなどは集中力が続かず、ピースを置くだけになってしまうこともあります。それでもなんとか楽しんでもらえるのも助かります。
4. 戦国武将かるた「レジェンド48」
戦国武将に興味が出てきたお子さんにおすすめしたい、いろいろな遊び方のできるかるたです。戦国武将かるた「レジェンド48」は、いろはがるたではありません。読み札の文言は武将の特徴になっていて、それをヒントに絵札を探します。たとえば「毘の旗に正義を託す越後の龍 上杉謙信」でとるのは、「ひ」ではなく「上杉謙信」。自然に武将の特徴を覚えてしまいます。
絵札は情報量が多く、武将のイラスト、家紋や旗印が入っていて、背景は出身地域(もしくは拠点とした城のある地域)で色分けされています。武将ごとに設定された能力値(戦闘・作戦・政治など)も書かれていて、対戦カードゲームとしても遊べます。
また、人物図鑑のような遊び方ガイドは、わが家ではクイズブックのように使われています。
さらに、裏面が年表になった、全国戦国勢力図(「信長包囲網」篇・「関ヶ原」篇の2枚)も付いています。絵札を置いて遊べるのですが、「置くだけ」ともいえる地味な遊びなので、実は購入前はあまり期待していませんでした。ところが、息子は一人で実によく遊んでいます。カードに描かれた武将から、その武将の人生に思いを馳せているようです。
5. 『世界がぐっと近くなる SDGsとボクらをつなぐ本』
SDGsについて、話題になったり息子から聞かれたりすることが増えた頃に、自分でパッと調べられるように購入したのがこの本。監修は、ジャーナリストの池上彰さんです。各目標全てが、子どもが疑問に感じることをテーマにした漫画からはじまり、イラストたっぷりの解説、「ボクらにもできるSDGs」などに続きます。 SDGsについては、子ども向けも多くの本が出ていますから、読むのか・調べるのか、低学年か・高学年かなどで、それぞれに合ったものを選んでいただくのがよいと思います。わが家では、調べやすく、読みものとしてもおもしろいこと、自分にも関係があるという意識が持てること、今の自分にできることがわかることから、この本に決定しました。
購入時、5000円を超えるお値段にかなり迷いましたが、開きっ放しにして書き写したり、ちょっとしたメモなどを挟み込めたりするのがよかったです。ハンディ版も出たので、気軽に手に取りたい方にはそちらがおすすめです。