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「BALMUDA Phone」は本当に“期待はずれ”か? バルミューダが狙う市場とは(3ページ目)

バルミューダのスマートフォン「BALMUDA Phone」は、発表直後からネット上で賛否両論の声が上がっている。果たして、実際はどうなのか。ITジャーナリストの石川温が考察する。

石川 温

執筆者:石川 温

携帯電話・スマートフォンガイド

 

バルミューダが狙う市場

「BALMUDA Phone」(出典:バルミューダ公式サイト)

「BALMUDA Phone」(出典:バルミューダ公式サイト)

ひとつ感じるのは、「BALMUDA」という名前がこのスマートフォンの評価をブレさせているのではないかという点だ。BALMUDAというブランドというより、寺尾社長が欲しいと感じる機能やデザインが具現化された製品であるのだから、もっと違った名前でもよかったのかもしれない。

BALMUDAという名前が付いているから、ユーザーの期待値は上がる。しかし、スペックとの兼ね合いから高額でも許されるというわけではない。ユーザー体験などで他社と差別化するなら、BALMUDAという名前から来る先入観を取っ払ってくれたほうがよかったかもしれない。

日本国内におけるスマートフォンの出荷台数は、年間3000万台程度となっている。バルミューダはBALMUDA Phoneを販売することで、30億円程度の売上増を計画している。30億円を10万円で割ると、3万台近く売る計算となる。

単純計算すれば、3000万台のうちの3万台ということで、0.1%の販売シェアを獲ればいいことになる。

しかし、国内メーカー関係者は「いま、販売シェアは4割がiPhoneで、4割がミドルクラスのAndroidスマホ、1割がハイエンドAndroidスマホで1割がガラケーだ」という。

価格帯的にはBALMUDA Phoneはハイエンドスマホと戦うことになる。つまり、3000万台の1割、300万台のうちの3万台ということで、XperiaやGalaxyと戦い、シェア1%を目指すことになる。

今回キャリアとしては、ソフトバンクが独占販売するだけに、全国のショップ網などで販売してくれるのは心強いはずだ。

ただ、BALMUDA Phoneはスペックや値段だけでは本質を語れない、難しい商品であることは間違いない。

iPhoneユーザーはアップルというブランドで購入している人が多いし、Androidユーザーは価格とスペックのバランスでAndroidスマホを選ぶ傾向がある。

BALMUDA Phoneの世界観、実際に触った感覚を大切にしてくれるユーザーにどうやって届けるか。ソフトバンクとしても難しい商材を扱うことになったといえそうだ。



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