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小学生の親113名に聞いたPTA役員・委員経験。「やってよかった」と答えたその理由は?

PTAと聞くと、「何となく大変そう」「ストレスたまりそう」などのイメージを抱く人が多いのではないでしょうか。そこでPTA経験者に「PTA活動、やってよかったか否か」について、ズバリアンケート。果たしてその結果は?

長島 ともこ

執筆者:長島 ともこ

子育て・PTA情報ガイド

PTA役員や委員、経験している保護者はどのくらい?

子どものすこやかな成長を目的に、保護者と学校、地域が協力してさまざまな活動を行うPTA。
学校行事のサポート、防犯パトロール、保護者向けの講演会や懇親会の企画・運営など、その内容は地域や学校により異なります。

役職も、PTA会長、副会長、書記、会計などPTAの中枢を担う本部役員、本部の下部組織である学年委員会、広報委員会、ベルマーク委員会といった専門委員会の委員など、さまざまです。

実際どれくらいの保護者がPTAの役員や委員を経験していて、経験者はそれらの活動について、どう感じているのでしょうか。

今回は、All About編集部が実施した「PTA活動の経験に関するアンケート」の結果を発表します。

※アンケートは全国各地、小学生の子どもを持った経験のある親113名を対象に実施
※男女比:男性 23名/女性 88名/回答しない 2名
※年齢比:10代 1名/20代 2名/30代 39名/40代 59名/50代 12名
※アンケート実施期間:2021年10月22日~11月4日

61%の保護者が「PTA役員、委員」を経験 

下に示しているのは、小学生の子どもの育児経験がある親113名に聞いた「PTA役員、委員経験がありますか?」のアンケート結果です。
PTA役員、委員経験はありますか?

PTA役員、委員経験はありますか?

「はい」と答えた保護者が60%を超え、小学生の保護者5人のうち3人はPTA役員、委員経験があることが明らかになりました。

・「小学校6年間のうち1回は何かをやる」というルールがあるから。(40代 女性/子ども19歳)
・くじで当たったから。(40代 女性/子ども11歳、13歳)

など、“必要に迫られて”“仕方なく”役員、委員を経験したという声が多くを占めるなか、

・当時専業主婦で時間があったため、「やってもいいかな」と思いました。(40代 女性/子ども13歳)

という声も。

一方で、「いいえ」と答えた保護者の理由としては、

・仕事があるので時間がない。(30代 女性/子ども11歳)
・まだ下の子が小さいため、免除してもらっている。(30代 女性/子ども7歳、5歳、3歳、1歳)

などの声が寄せられました。

前述した「小学校6年間のうち1回は役員・委員を」に加え、「PTA役員は高学年の保護者から決める」など、役員・委員についてはそれぞれのPTAがルールを設けているケースが多いもの。

そのルールと自身の仕事の状況、きょうだいの有無などの家庭環境を考え合わせて自らの“やりどき”を考え、役員・委員を引き受けている様子が見て取れました。
 

68%が「PTA役員、委員を経験してよかった」

下に示しているのは「PTA役員、委員の経験がある」と回答した保護者69名に聞いた「PTA役員、委員を経験してよかったと思いますか?」のアンケート結果です。
PTA役員、委員を経験してよかったと思いますか?

PTA役員、委員を経験してよかったと思いますか?

「PTA役員、委員を経験してよかった」と回答した保護者は68.1%。“必要に迫られて”“仕方なく”引き受けてみたものの、実際に経験してみると、

・参観日以外も学校で子どもの様子をみることができたり、先生や他の保護者と話す機会が増え多くの情報を得ることができた。(40代 女性/子ども19歳)
・子どもがお世話になっている学校に貢献できる喜びを感じることができた。(50代 男性/子ども20歳、18歳、12歳)
・いろんな保護者と顔見知りになれた。(40代 女性/子ども22歳、20歳)

など、学校との距離が縮まり仲間が増えたことなどにメリットを感じる声が多く聞かれました。

いっぽうで、約26%が「PTA役員、委員を経験してよかったとは思わない」と答えました。その理由としては、

・やらなくても多い活動も多く辛いだけ。PTA役員だから苦労して当たり前のような学校の風潮もどうかと思う。(30代 女性/子ども9歳、5歳)
・強制的で、こちらの都合お構いなしに予定を組まれた。(30代 女性/子ども12歳、1歳)
・母子家庭なのに仕事を休んでまで委員の仕事をしなければならず、収入が減って困った。(30代 女性/子ども7歳)

などの声があがりました。

子どもたちがのびのびと、すこやかに育っていくには、地域に住む大人の目や手が必要不可欠です。PTAはその一端を担っています。

しかし、核家族、共働き家庭の増加やライフスタイルの多様化などにより、これまでと同様の方法で活動を続けるには「担い手不足」であるのが現状です。

PTA本部が、活動について保護者にアンケート調査を行い、その結果を元に「これからも必要な活動」「子どもたちに大切な活動」を見極め、「なくても良い」という意見が多い活動は廃止するなどのアクションを起こしていくことが大切だと思います。

その上で、学校行事の手伝いの募集は「各クラス〇名」など細かいくくりでなく全校単位で行う、防犯パトロールは活動できる日や時間帯を選べるようにするなど、保護者が参加しやすい組織にアップデートしていくことで、「やって良かった」と感じる保護者が増えていくのではないでしょうか。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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