アドバイス1 ご自身の老後資金は現時点で問題ない
いろいろなご事情がありながらも、しっかりと生活基盤を整えられて、家計もしっかり管理されておられます。金融資産もバランスよく保有されており、現状での問題点は見当たりません。現在、毎月8万円の貯蓄、ボーナスから40万円ほど貯蓄できているとしたら、年間で136万円も貯められています。定年の60歳までの12年間で1632万円、現在の金融資産1776万円、退職金300万円を合計すると約3700万円です。老後資金として不安に感じることはないでしょう。
公的年金は免除期間があったものの、このまま定年退職まで勤めれば、もう少し増額になるでしょうし、60歳以降も国民年金の払い込みを継続できれば、満額に近づけることも可能です。
体調を崩されたとのことが一番の心配になりますが、ご自身も十分わかっておられることですから、無理せず、できるだけ現状を維持していくことを心がけてください。
アドバイス2 パートナーと同居後の家計をよく話し合うこと
しかしながら、不安材料といっては語弊がありますが、パートナーとの同居後の生活のイメージがつかめないため、同居以降の金銭的なアドバイスは限定的になってしまいます。現在の家計より余裕が生まれるのであれば問題ないかもしれませんが、生活費の分担はどうするのかなど、家計運営については、パートナーと十分な話し合いをなさってください。言い出しにくいかもしれませんが、お互いの収入、金融資産、保険や公的年金の加入状況などは、一緒に暮らしていくのであれば、確認しておくべきことです。
アドバイス3 マンション購入は落ち着いてから。買うなら現金一括
マンション購入については、同居後の家計が落ち着いてからでも遅くはありません。パートナーはマンション購入に否定的とのことですから、購入にあたっては、十分に話し合いをされるしかないでしょう。ただ、体調に不安があるようなら、この段階から住宅ローンを抱えるのは、おすすめしません。もしも購入するとしたら、現金一括で、できればパートナーと折半。多く出すとしてもご相談者は2000万円が上限です。これを前提に、購入が可能かどうかを検討してください。
現状では、特に問題点はありませんが、同居すること、マンション購入することで、ストレスを抱えることのないように、健康第一で考えるようにしてくださいね。
同居後の家計で悩むようなことがあれば、また、その時点でご相談をお寄せください。
相談者「ふわふわ」さんから寄せられた感想
深野先生、お忙しい中アドバイスいただきありがとうございました。定年までにどれくらい貯蓄が可能か漠然としていたのですが、具体的に目標を立てることができそうです。国民年金のことも満額に近づけることも可能とのこと、安心しました。これからも体調に気をつけながら、仕事を頑張ってまいります。パートナーとは、同居の話が具体的になったら、マンション購入も含めてきちんと話したいと思います。本当にありがとうございました。※マネープランクリニックに相談したい方はコチラのリンクからご応募ください。(相談はすべて無料になります)
★マネープランクリニック編集部では貯蓄達人からのメッセージを募集中です★
教えてくれたのは……
深野 康彦さん
マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金まわり全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。著作に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など
取材・文/伊藤加奈子
【関連記事をチェック!】
48歳一人暮らし、貯金600万円。賃貸の騒音がひどく、マンションを購入したいと思います
48歳、一人暮らし。30年で組んだ住宅ローンが残り1800万円あり老後が不安です
48歳一人暮らし、貯金260万円。働くことにいいイメージが持てず、貯蓄が増えない
48歳、一人暮らし。30年で組んだ住宅ローンが残り1800万円あり老後が不安です