今回は、令和3年に発表された国土交通省「都道府県地価調査」より、兵庫県の10万人以上の人口がいる市区町村の、地価が下落した市区町村ランキングを発表します。
人口増加率日本一だったベッドタウン。1位は「三田市」
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1位は自然豊かな田園都市であり典型的な大阪のベッドタウンの「三田市」。1986年にJR福知山線の複線化・電化が完了し、ニュータウン開発と相まって人口が急増。その翌年の1987年から1996年まで、なんと10年連続で人口の実質増加率日本一を記録しました。神戸市と隣り合っているものの神戸市中心部への鉄道移動は乗り換えが必要。一方、JR福知山線を利用すれば大阪へ一本。
そんな三田市の地価が下落したのは、ニュータウン人気の凋落が原因といえます。バブル期まではニュータウンの開発とともに人口も増加していましたが、バブル崩壊後ニュータウン人気も陰りが見え、今ではタワーマンション人気に象徴される都心回帰が神戸市を中心とした兵庫県南部でも顕著です。
有馬温泉とニュータウンの街。2位は「神戸市北区」
2位は神戸市最大の区「神戸市北区」。1973年に同市兵庫区から分区された比較的新しい区で、東は三田市近接のニュータウンから有馬温泉を経て須磨区近接のニュータウンまで広がり、面積は神戸市の約4割を占めます。神戸は港町として有名ですが、北区は西区同様、海がない山間の区。山の合間にニュータウンがいくつもあり、バブル時代には大変人気を博しました。神戸市北区の地価下落要因も三田市同様、ニュータウン人気の凋落といえます。都心回帰が神戸市でも顕著となり、公共交通での移動が「新開地」駅(神戸市兵庫区)始発の神戸電鉄並びにバス頼みとなる不便さからも人口の減少が続いています。
3位は、震災復興事業終了。長田区
神戸市の中南部に位置する長田区は大きく分けて、区画整理が施された海側の工業エリア、道路の入り組んだ山側の住宅エリアからなります。1995年には阪神・淡路大震災で家屋倒壊や大規模な火災で大きな打撃を受けました。その後JR「新長田」駅周辺では復興事業として大規模な再開発が実施され、昨年(2020年)ようやく同事業を終了。今では整然とした街並みとなっています。ただ、再開発が進み高層マンションなどが供給された反面、地場産業が再建できなかったため、商業的な賑わいは戻らず。北部の住宅エリアでは人口減少と高齢化が進んでいます。そのような状況下、地価下落が進んだと考えられます。
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