気になる洗濯機の「黒カビ」、予防法や掃除の手順は?
洗濯槽の裏側にはりついた黒カビ、いわゆる「ぴろぴろワカメ」。丁寧にお掃除しているつもりでも、洗い上がった洋服についてきたり、カビ臭かったりすると困り物ですよね。カビが発生する理由や予防の方法、洗濯槽の掃除法について解説します。正しい対策をとることで、カビ問題を最小限におさえましょう。
洗濯機にカビが発生するわけ
洗濯槽の裏側は「溶け残った洗剤」「石けんかす」「そこに付着した垢や泥」など汚れがこびりつきやすく、しかももともと湿度が高い場所のため、黒カビが生えやすくなっています。 洗剤と汚れが結合して洗剤カスが発生し、洗濯機に付着、空気中にあるカビがこれらを分解して自然に戻そうとして黒カビとなります。汚れが膜のように固まり、それが剥がれて洗濯物に付着し、乾いてから気付いてガーン!なんてことも! 剥がれた汚れが粉状のカスになっていると付着に気付かないため、ますます怖いですね。
正しい方法で掃除できていないと、カビキラーなどの掃除グッズを使っても臭いが気になることもあるかもしれません。
▷参考記事
洗濯機のカビ発生を予防するには
普段からできるカビ対策には、主に3つのポイントがあります。■1:脱いだ衣類を溜め込まない
脱いだばかりの衣類は湿っている上、汚れもついています。
湿った状態のままの衣類を風通しの悪い洗濯槽の中に入れておくと、衣類の雑菌が繁殖しますし、洗濯槽にとってもカビの原因の一つになりかねません。
■2:洗濯機を使ったあとは「槽乾燥」をする 槽乾燥機能がついている場合は、週に1回は運転し、洗濯終了後の湿気を取り除き、槽の裏側まで乾かしてカビを防ぎましょう。ついていない場合、蓋を数時間開けておき、中を乾燥させましょう。これをやるか否かで洗濯機内部の湿度が変わり、カビの発生率に大きく影響します。
■3:月1回は「槽洗浄」をする
定期的に洗濯機用洗剤を使って掃除をしましょう。最低でも1カ月に1回、今までやっていなかったのであれば、暫くは2~3週間に1度のペースでやることをおすすめします。 商品によって使い方の多少の差はありますが、おおむね、お湯と洗剤を入れて「洗濯」を1回する→その後、6時間ほど放置する→「洗濯」「すすぎ」「脱水」を1コースするという流れになっています。
肝心なのは、数時間放置したあとの「洗濯」での回転。放置している間に洗濯槽裏にこびりついた汚れが浮いてきており、これを剥がしとる役割があるため、しっかりと回転させる必要があります。
▷参考記事
洗濯機クリーナーを使用したカビ掃除「槽洗浄」の手順
月1回はやりたい槽洗浄の手順を説明します。なお、市販の漂白剤には、塩素系漂白剤と酸素系漂白剤があります。塩素系漂白剤
効果は強いですが、「まぜるな危険」とボトルに書いてある通り、酸と混ざると猛毒の塩素ガスが発生するので、使用法によっては重大な事故につながることもあります。市販の酸性洗剤のほか、お酢やクエン酸など、身近にあるものでも危険です。洗濯槽の錆を招くなどの副作用、また排水後の環境への悪影響もあります。
酸素系漂白剤
酸素系漂白剤の成分は、過炭酸ナトリウム。水に溶かすと炭酸ナトリウムと過酸化水素に分解されます。炭酸ナトリウムは水に触れると弱アルカリ性になり、温めると、過酸化水素は水と酸素に分解されます。この水と酸素に分解する際、色素を分解し、漂白作用を発揮します。漂白作用を発揮させるためには、水ではなくお湯での洗濯が望ましく、石けんと一緒に使うと全く効果がありません。
掃除していない期間が長く汚れがひどい場合などでなく、1カ月に1度定期的な掃除をするようであれば酸素系漂白剤を使うことをおすすめします。
ここでは、酸素系漂白剤を使ったタテ型洗濯機の掃除法を説明します。
■お湯を入れる、お風呂の残り湯でもOK
画像出典:臭いもスッキリ!洗濯槽のエコなカビ取り法
■酸素系漂白剤を入れる
商品の表示に従って、規定量の酸素系漂白剤を入れます。石けんカスを落としたいので、粉石けんなどは一緒に入れないで下さい。
■洗濯機の「洗い」をする
洗濯機の「洗い」だけを5分回します。
■放置してから、さらに「洗い」をする
そのままひと晩放置します。さらに5分「洗い」で洗濯機を回します。
■黒カビをすくって捨てる 浮いている黒カビを、お風呂用のゴミ取りネットなどですくって捨てます。全ては取りきれませんが、排水すると底に残りますので、残ったカビは拭き取って捨てて下さい。
■真水を入れてから排水
排水して、お風呂の残り湯でも水道水でもいいので、真水を高水位まで入れます。「洗い」から「脱水」まで運転させ、排水して完了です。
もし黒いカスがなくならないようなら、何度か真水で運転させてください。
▷参考記事
やっかいな黒カビ問題ですが、正しい予防法と定期的なお手入れを実践すれば、より快適に洗濯機を使うことができます。まずは「洗濯後は蓋を開ける」「衣類を溜め込まない」といった、毎日できる簡単な方法から実践してみてくださいね。