仕事・給与

2022年10月から雇用保険料が引き上げ。会社員にはどんな影響がある?

お金のこと、難しいですよね。老後の不安から、ますますお金を貯めたい、家計を守りたい、と思っている人も多いのではないでしょうか。皆さんからのちょっとした疑問にオールアバウトの専門家が回答するコーナーです。今回は、雇用保険料について専門家が回答します。

井上 陽一

執筆者:井上 陽一

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お金のこと、難しいですよね。老後の不安から、ますますお金を貯めたい、家計を守りたい、と思っている人も多いのではないでしょうか。皆さんからのちょっとした疑問にオールアバウトの専門家が回答するコーナーです。今回は、雇用保険料について専門家が回答します。
 

Q:雇用保険料が引き上げられたとのこと、会社員への影響は?

「2022年10月から雇用保険料が引き上げられたとのこと。会社員の私には、どんな影響がありますか?」(会社員・30代)
 
雇用保険料が引き上げに?

雇用保険料が引き上げに

 

A:雇用保険料が増えれば、手取り給与が減ります

2022年10月に雇用保険料が引き上げられました。雇用保険料が上がると、給与の手取り額は減ることになります。今回の雇用保険料の引き上げによって、手取り額がどれくらい減ることになるのかを説明します。

引き上げ前の雇用保険料率は、図のとおり0.95%~1.25%(9.5/1000~12.5/1000)で、そのうち手取り額に影響する労働者負担は、0.3%または0.4%でした。

実は、2022年4月にも雇用保険料率が引き上げられていたのですが、事業主負担だけが引き上げられたので、労働者の手取り額には影響がありませんでした。
令和4年度の雇用保険料率について

出典:厚生労働省「令和4年度の雇用保険料率について」

そして2022年10月に再び雇用保険料率が引き上げられることになりました。今回は、労働者・事業主ともに0.2%ずつ負担が増え、雇用保険料率は1.35%~1.65%(13.5/1000~16.5/1000)となっています。

引き上げ後の料率は、次のとおりです。
令和4年度の雇用保険料率について

出典:厚生労働省「令和4年度の雇用保険料率について」

実際に、労働者の負担がどれくらい増加となるのかを計算してみます。

雇用保険料は、給与総額(通勤手当や住宅手当なども含む)や賞与に、雇用保険料率を掛けることで求めることができます。

雇用保険料=給与総額または賞与額×雇用保険料率

(計算例)
・2022年9月までの一般の事業労働者(労働者負担分の料率は0.3%)の給与総額が40万円の場合……
40万円×0.3%=1200円

・2022年10月以降は、労働者負担分が0.5%になったので……
40万円×0.5%=2000円

給与総額が40万円の人の雇用保険料は800円増えることになる、言い換えると手取りが800円減ることになります。このように労働者負担分が引き上げられることになれば、手取りが減ることになります。

来年度以降の雇用保険料がどうなるかはまだわかりませんが、これまでの雇用保険料の変遷を見ると、
15年前(平成18年度)……雇用保険料率:1.95%、うち労働者負担:0.8%
10年前(平成23年度)……雇用保険料率:1.55%、うち労働者負担:0.6%
2021年度(令和3年度)……雇用保険料率:0.9%、うち労働者負担:0.3%

と、近年は保険料の引き下げが続いていました。

雇用保険料率が上がったとしても、状況が変わればまた下がるかもしれませんので、それほど心配しなくてもいいかと思います。

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