年金・老後のお金クリニック

企業年金と厚生年金の違いって? 企業年金に入るためには?

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に、専門家が回答します。今回は、企業年金と厚生年金の違いについてです。年金についての質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。

坂口 猛

執筆者:坂口 猛

初心者のための相続税・税金ガイド

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老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に、専門家が回答します。今回は、企業年金と厚生年金の違いについてです。
 

Q:企業年金と厚生年金は同じもの?

「友人の会社は企業年金に入っているそうなのですが、私が毎月給料から払っている厚生年金とは別ものなのでしょうか? 会社員であれば自分で企業年金にも入れるんでしょうか?」(30代・女性)
 

A:勤務先に企業年金制度があり、加入条件に該当していれば企業年金に加入することができます

年金のしくみは少々複雑で難しいですよね。日本の年金制度は大きく分けて、主に国(日本年金機構)等が管理運営している公的年金と私的年金(公的年金以外の年金)の2つがあるのです。そして公的年金には以下のとおり3種類あり、その人の働き方により加入する年金制度が決まっています。

【1】国民年金
日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入しなければならない。
【2】厚生年金
サラリーマンなど会社に勤務する人で厚生年金保険の適用を受ける人
【3】共済年金
公務員や私立学校教職員など。現在は厚生年金に一元化されています。
 
相談者とご友人の場合には、【1】と【2】に加入していることになります。
公的年金と私的年金は、このように分かれています

公的年金と私的年金は、このように分かれています



一方、私的年金とは、公的年金の上乗せの給付を保障する制度です。相談者の言う「企業年金」はこちらに含まれます。私的年金は大きく確定給付型と確定拠出型の2種類にわかれます。確定給付型とは、加入した期間などに基づいてあらかじめ給付額が定められている年金制度であり、確定拠出型とは、拠出した掛金額とその運用収益との合計額を基に給付額を決定する年金制度です。
 
確定給付型の代表的なものは、確定給付企業年金(DB)です。主に企業が掛金を拠出します。
 
確定拠出型には、2種類あり、主に企業の拠出によって行われる企業型と個人の拠出によって行われる個人型(iDeCo)となっています。
 
企業年金は、企業が従業員の老後生活保障のために掛金を拠出して実施する年金制度であるため、その制度は任意であり、勤務先によって制度がある企業もあれば、制度がない企業もあります。
 
相談者の場合、勤務されている会社に企業年金制度があり、加入条件に該当していれば企業年金に加入することができます。企業年金制度がない場合には、残念ながら企業年金への加入はできませんので、個人で加入できる個人型確定拠出年金(iDeCo)や個人年金保険などの活用を検討してみてはいかがでしょうか。

※年金プチ相談コーナーに取り上げて欲しい質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。

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