大規模接種センターでの新型コロナワクチン接種付き添い体験記
大規模接種センターはかかりつけ医を持たない方などにも便利
大規模接種センターとは……国内に2ヵ所あるワクチン接種特化施設
接種センターは東京では千代田区の大手町合同庁舎3号館、大阪では大阪市の大阪府立国際会議場(グランキューブ大阪)に設置されています。常設ではなく時限的なものであり、報道によると2021年9月下旬での終了が予定されています(これまで8月下旬終了と報道されていましたが、延長されました)。7月5日現在で接種を受けられるのは、18歳以上で自治体から送付された接種券を持っている方、なおかつまだ接種を受けていない方に限定されます。接種センターで1回目を接種した場合、原則として2回目も4週間後をめどに接種センターで受けることになります。
予約は接種券に記載されている情報をもとに接種センターのウェブサイトやLINE、そして電話から行います。なお、以前は可能でしたが徹夜での順番待ちによる「密」発生の問題もあり、予約なしでの接種はできなくなっているので要注意です。
その予約枠については、毎週月曜・木曜の午後6時から受け付けられます。週2回、新たな予約枠が設定されますが混み合うことが予想されます。可能なら新枠設定時間に合わせてすぐにウェブサイトにアクセスできる環境を整えるのが良いでしょう。
接種されるワクチンは米モデルナ社製のワクチンです。これはかかりつけ医などが接種する米ファイザー社・独ビオンテック社製のワクチンと同じmRNAを用いたワクチンであり、2回の接種を必要とします。接種センターではワクチンのメーカー指定はできません。
ワクチン接種の予約方法…ネット予約・事前に複数の候補日の準備を
ここからは体験談を中心に解説していきます。私自身は医療従事者を対象とした先行接種を受けていました。その際の体験談は「新型コロナウイルスワクチン接種体験談…実際の副反応と対策ポイント」記事をご参照ください。今回、東京の接種センターは障害のある親戚(非高齢者)の付き添いとして参加しました。何よりもまずは接種の予約をしなければ始まりません。自治体から接種券が届いた段階ですぐに公式サイトにアクセスしました。入力項目は接種券に記載されている接種券番号や生年月日を入力する程度なのでとても簡単です。
しかしながら、この時はちょうど高齢者のみではなく18歳以上の若い方にも予約が解放された時期だったのでアクセスが集中。予約枠を確定してボタンを選択した瞬間に「やり直し」を告げるメッセージが……。再アクセスすると予約枠は減っており、選択するもまたやり直し。これを数回繰り返してようやく某日の午後5:30の枠を確保することができました。
正直、接種日時にえり好みはできず、空いている枠にとにかく滑り込むような状況でした。接種センターを予約する場合は自身の空いているスケジュールをよく確認して、複数の候補日時を事前にリストアップすることを強く勧めます。
接種センターへの持ち物準備……お薬手帳やスケジュール帳も持参
無事に予約枠を確保し、当日を迎えました。必須の持ち物は自治体から送付されていた接種券、身分証明書(今回の場合はマイナンバーカードでした)、そして接種券とセットになっていた予診票です。予診票は現地でも書くスペースはありましたが、自宅で記入しておくことをお勧めします。もし手元に予診票がない場合は厚生労働省のホームページ「新型コロナワクチンの予診票・説明書・情報提供資材」からダウンロードも可能です。
上記以外の持ち物としてはお薬手帳を持参すると便利です。いわゆる「血液サラサラの薬」である抗凝固薬を使用している方は、接種後に出血しやすくなるケースがあるからです。しかしながら、一般の方はどの薬が抗凝固薬かを判断するのは難しいので、お薬手帳は非常に役に立ちます。
他に理由は後述しますが、スニーカーなど歩きやすくて転倒しにくい、履き慣れた靴を使用することをお勧めします。2回目の予約は現地で行うのでスケジュール帳と約4週間後の希望日時を前もって把握することも大切です。
いざ接種センターへ…東京なら竹橋駅利用が便利
荷物の準備と確認ができたら出発です。付き添いの私はA4サイズの予診票などが意外とかさばったのでリュックサックを利用しました。接種者の方も注射を受けやすい半袖の服装で準備万端。東京の接種センターには東京メトロ東西線の竹橋駅を利用しました。ちなみに東京も大阪の接種センターも専用駐車場はないので基本的に公共交通機関や無料のシャトルバスを利用することになります。
事前に地図を見ると竹橋駅からは接種センターはすぐ近くでした。実際に駅に到着するとあちらこちらにポスターで接種センターへの案内がありました。誘導員の方や構内アナウンスも流れており、迷う心配はまず無いです。案内に従い竹橋駅の「4番出入口」から地上へ。
地上へ出るとそこにも誘導員の方が待機されていましたが、接種センターは目と鼻の先。すぐにテレビや新聞で見慣れた入口が見えてきました。入口を抜けて誘導に従いプレハブの仮設施設へ進むと受付と検温。くわえて私は「付添」のネックストラップを渡されて着用。そして、色付きのクリアファイルに書類を移されました。
この際の「色」が接種を行う「グループ分け」になっており案内の際に度々利用されます。非常に手際よく「赤の方はこちらでーす!」と誘導されて仮設から庁舎へ。密にならないようこまめに移動と停止を繰り返しながら進んで行きます。
接種センターの流れ……予診から接種まで予想以上のハイスピード
予診を行う部屋に到着すると複数のブースが並んでいました。多くの医療従事者の方が対応されていたのですぐに順番に。接種前の予診では現在の体調や服用薬などをチェックされます。この時、持参したお薬手帳が力を発揮してとてもスムーズに予診完了。赤グループの流れに沿って接種会場へ。接種の際もアレルギーの有無などの確認が改めてありました。流れ作業の中でもしっかりとしたチェックが徹底されていました。接種後はアナフィラキシーショック(急な失神などをともなう副反応)対策のために会場で15分間の待機。待機時間も無駄なく、この時間を使って2回目の予約が行われました。
1回目の予約が大変だった分、2回目の予約もややつまり気味でしたが無事予約完了。複数の候補をリストアップしていたので焦らずに済みました。予約が完了した時点で待機時間の15分間を終えていたので、そのまま接種を受けた方と一緒に会場を後にしました。
振り返ってみると密を作らないために小刻みな移動と待機を繰り返すので移動距離以上に足腰の疲労を覚えました(私の運動不足もありますが…)。高齢の方や足腰にトラブルのある方はやや難儀するかもしれません。新品の靴などではなく、履きなれたスニーカーなどが適しています。
靴にくわえて男性よりも荷物が多くなりやすい女性は手持ちのバッグより背負えるリュックタイプのものの方が楽に移動ができると感じました。
脚に少しの疲れを感じつつ時間を確認すると受付開始から会場を出るまで約40分で終えることができました。ついつい役所で長時間待つ経験があったので心配しましたが、良い意味で予想が外れた格好です。テキパキとしたオペレーションに自衛隊の底力を感じました。
私たちの場合は東京の接種センターから近い場所に居住していたので少々の疲れ程度で接種を終えることができました。一方、遠方から来られる方の場合、移動の疲れや初めての接種という緊張感、さらに夏の暑さも重なります。接種前後はハードワークを避けて、体調に余裕を持つのが賢明です。
おわりに
本記事を作成している段階では接種センターは9月下旬で役割を終える予定です。一方で職域接種の一部停止など状況は流動的でもあります。接種センターはかかりつけ医を持っていない方などにはとても便利な存在です。なによりスムーズに接種が行える専用施設はとても貴重なので、コロナ禍が鎮まるまで半常設にしてほしいと感じています。下記では改めて必須の持ち物や体験を通じて持っていくと便利なものを挙げました。本記事がより快適で円滑な接種に繋がれば幸いです。
■新型コロナワクチン接種センターへの持ち物
- 【必須】接種券
- 【必須】身分証明書
- 【必須】予診票
- お薬手帳
- 1ヵ月後をめどにスケジュールが確認できるもの
- 履きなれた歩きやすい靴
- A4サイズのものが入るリュックサック
- 肩の出しやすい服装
- 飲料水