年金・老後のお金クリニック

60歳で退職して3年間は、嘱託社員として働く予定。月20万円の収入だと、65歳からの年金はいくら増える?

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に回答します。今回は、60歳で退職して嘱託社員となり、3年間働いた場合、年金はいくら増えるのかについてです。

坂口 猛

執筆者:坂口 猛

初心者のための相続税・税金ガイド

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老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に回答します。今回は、60歳で退職して嘱託社員となり、3年間働いた場合、年金はいくら増えるのかについてです。
 

Q:60歳から嘱託社員として3年間は働きたいと思います。年金への影響は?

「私は昭和41年(1966年)1月15日生まれで現在58歳のサラリーマン。60歳で退職して嘱託社員となります。63歳ぐらいまでは、嘱託社員として働きたいと思っています。月収は20万円ほどの予定です。3年間厚生年金に入ることで、将来もらえる年金は、いくらぐらい増えるのでしょうか?」(58歳・男性・会社員)
 
60歳以降に厚生年金に入り、増える年金額はどうやって計算する?

60歳以降に厚生年金に入り、増える年金額はどうやって計算する?

 

A:ねんきんネットで試算が可能

ご相談者が嘱託社員の期間も厚生年金に加入し続け、老齢基礎年金を満額受給できるという前提で回答します。
 
まず、老齢厚生年金額は、生年月日が昭和21年4月2日以降の人の場合は、原則として下記の計算をします。

【1】平均標準報酬月額×7.125/1000×平成15年3月までの被保険者期間の月数
【2】平均標準報酬額×5.481/1000×平成15年4月以降の被保険者期間の月数

老齢厚生年金額は【1】+【2】の合計額になります。
 
この式を見ると、相談者が60歳からの3年間、月額20万円で厚生年金に加入した場合には【2】の式の「平均標準報酬額」と「平成15年4月以降の被保険者期間の月数」に影響が出ることになります。
 
「平均標準報酬額」は、平成15年4月以降の被保険者期間の各月の標準報酬月額と標準賞与額の総額を、平成15年4月以降の被保険者期間の月数で割った金額です。その人の過去の給与や賞与などの状況により異なることになります。

相談者の場合、「平均標準報酬額」はサラリーマン時代に得た給与等に、嘱託社員として3年間働いた月額20万円が考慮された額、「平成15年4月以降の被保険者期間の月数」は60歳になるまでの月数に、36カ月(嘱託社員としての3年間分)が加算されたものになります。

過去(60歳になるまで)の平均標準報酬額が20万円で、その後の3年間(36カ月)も20万円の場合と仮定すると、下記のような計算になります。

20万円×5.481/1000×36カ月=年額3万9463円

年額3万9463円が単純に増額することになります(60歳になるまでの平均標準報酬額が違えば、増額する年金額も変わります)。

具体的には、ねんきんネットでも試算することが可能なので、ぜひ、活用してみてはいかがでしょうか。

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