では、老後のお金について、ご自身の老後の家計をきちんと把握され、準備されている方はどれくらいいるのでしょうか。
オールアバウトでは、30~59歳の方を対象に、もらえる年金額の把握状況と、年金額を確認できるツールの利用状況について、アンケートを実施。525人の回答から分かった、30~59歳の老後のお金意識の現状とは。
<目次>
実施したアンケートの回答者属性
今回、インターネット上での調査を実施し、525人の方に回答をいただきました。回答者の年代別人数については以下の通りです。もらえる年金額を把握してる人は50代でも半数以下!
まず、もらえる年金額を把握しているか?という質問に対しては以下のような結果になりました。ねんきん定期便を見たことがないという方も10%超え……
次に、これまでに納付した保険料の実績やもらえる年金額を把握・シミュレーションができる「ねんきん定期便」「ねんきんネット」の利用について聞いてみた結果が以下になります。まずは、ねんきん定期便の見方を知っているか?という質問については、以下のようになりました。
次に、ねんきんネットを利用したことはあるか?を聞いたところ、以下のような結果となりました。
以上、年金の把握状況と年金額を把握できるツールの利用状況についてのアンケート結果を紹介しました。この結果に対して、All Aboutのマネーガイド、坂口猛さんにコメントをいただいています。
調査結果について、マネーガイド、坂口猛さんからのコメント
将来もらえる年金額を把握する際には、将来の給与収入や年金保険料の支払い状況等により変動してしまうため、若い方の比率が低くなることは想定しておりましたが、50代で把握している方が40%程度という点については、ちょっと少ないように思いました。しかしながら、以前に調べたことがある方も40%強いらっしゃるため、合計すると85%前後の方が関心を持っているということが言えそうです。
また、ねんきん定期便を見たことがないという方が、55歳以上の方で10%以上いらっしゃることには驚きました。ただ、逆に言えば、50代の55%程度の方がその見方を知っており、「以前に分かっていた」「見たことがある方」を含めると90%程度の方が、その存在を知っているようで、ねんきん定期便の存在により、年金に関心を持っている方が多いのではないか、と推測できます。
一方で、ねんきんネットに関しましては、利用したことがある方が全世代で20%程度、55歳以上の方でも21%しかいらっしゃらない点は驚きました。
ねんきん定期便とねんきんネットの大きな違いは、50歳以上の方の場合、将来の給与等の収入予測数値の捉え方です。ねんきん定期便の場合、その時点での収入が将来も同額で推移すると仮定しているのに対し、ねんきんネットの場合、将来の収入を任意に調整して試算できます。
もらえるねんきん額を以前は調べたが今はどうなっているか分からない方や以前調べたが分からなかった方など、この機会に、ぜひ、ねんきんネットを活用してみてはいかがでしょうか。
年金額を把握していないと、老後の収支計画が立てられず、将来的に予想外の資金不足に陥ってしまう可能性もあります。まずは、年金額のシミュレーションをしてみましょう。
コメントをくれたのは……
坂口 猛さん
企業内外におけるお金に関する実務経験30年を活かしたアドバイスには、説得力があり、実務的であると定評があるFPの1人。また、正確な言葉の定義よりも、わかりやすさを重視しているため、初心者でもわかりやすい説明が特徴です。税金や相続・事業承継、副業・開業者への支援やクラウドを活用した働き方改革のための効率的なスキームづくりなどの支援を得意としており、All Aboutのガイドやセミナー講師としても精力的に活動中。