独自のネットワークで世界の銘木を厳選して調達
住友林業の家といえば、オークやチーク、マホガニー、ウォルナットなど、国内外の銘木をふんだんに使用した「高品質かつ圧倒的な木質感」を連想される方は多いでしょう。
「オーナー様にアンケートで『住友林業で家を建てる決め手になったものは?』とお伺いすると、最多は常に『木の質感』という回答になります」と、住友林業の担当者は語ります。
「ただ、これまで当社では、銘木の樹種名を扱っていたものの、それらを使用した部材や製品を総称する名前は特に設けていませんでした。そこで、当社が世界で厳選した高品質な銘木を活かしたオリジナル部材を総じて『PRIME WOOD(プライム ウッド)』と名付け、新たに提案することにしたのです。いずれは『住友林業で家を建てた決め手は“PRIME WOOD”』と言ってもらえるブランドとしていきたいと考えています」
木を知り尽くした職人たちの手と最先端技術、国内外の社有林と海外ネットワークによる調達力が融合して
生み出される住友林業のオリジナル部材「PRIME WOOD(プライム ウッド)」
住友林業は、国内に日本の国土の約1/800に相当する約4.8万ヘクタールの社有林を保有、さらに北米やヨーロッパ、東南アジアなどの海外では、総計約23.1万ヘクタールの森林を管理・保有しています。扱う銘木は、山林の所有者や各樹種におけるエキスパートの製材所と直接契約し、調達しています。
国内外にネットワークを構築し、銘木を安定的に調達している
「もっとも、希少な樹種であればそれで良いというわけでなく、なかでもよりコンディションの良い木を求めて現地に当社社員が出向き、直接見て、触って確認して、納得できる木を選んでいます。ただ、コロナ禍の今、海外の山林に出向くことは困難なので、1942年から取引を始め、関係を築いてきた各国の現地サプライヤーの目にかなった木材を送ってもらい、加工工場がある日本やアジア諸国に駐在する当社社員がチェックして品質を担保しています。仮にチェック段階で問題が見つかった場合は、サプライヤーに新たな木材を選び直してもらいます。当然コスト、時間はかかってしまうのですが、妥協はしていません」
住友林業は木造注文住宅の大手ハウスメーカーですが、住宅のみならず山林経営、調達、供給も自社で手がけ、木材・建材商社としても国内取扱高No.1の実績を誇ります。グループの建材工場や信頼のおける協力メーカーとタッグを組み、一から造り上げていく。そうした地道な工程がPRIME WOODを支えているのです。
膨大な“レシピ”を用いてポテンシャルを引き出す
調達された丸太は製材後、木材のコンディションに合わせて乾燥し、加工工場で、床や壁、天井、建具などの高品質な部材PRIME WOODへ姿を変えていきます。
「当社は加工前の丸太の伐採時期や乾燥工程にもこだわりがあります。例えばジャパニーズオークの場合は、木の成長が止まる冬の厳寒期にのみ伐採し、育った環境に近い場所で4~6ヵ月かけてゆっくり自然乾燥させます。乾燥を経て木は20%程度収縮し、充分な乾燥期間を置くことで、後々の割れやねじれ、反りなどの変形や変色などのリスクを大幅に低減する効果もあります」
乾燥期間が長くなるほど生産性は落ちてしまいますが、PRIME WOODの高い品質を保つためには欠かせない時間となります。
「丸太から製材する際、最初に刃を入れる段階で木目が決まります。樹種、樹形、伐採した時季や場所によって異なる最適な“レシピ”があります。例えどんな銘木でも、間違った切り方をしてしまうと、内装材になったときの木目の見え方が変わってしまい、銘木のポテンシャルを最大限に引き出すことはできません。さらに、将来の経年変化も念頭に置き、床、壁、天井、建具など、役割に合わせてつくりあげてきたレシピを用いて、ひとつとして同じものがない木を均一に加工し、高品質な部材へと進化させています」
何万本という木に触れてきた職人の知識、経験と住友林業の最新技術が相乗効果を生み、
PRIME WOODの美しい木目が生まれる
PRIME WOODでは加工や仕上げのレシピを製品ごとに設定している
ちなみにレシピ数は床だけでも約60種。他の内装材のレシピも合わせて各加工工場で共有されています。工場内では、床、壁、天井、建具と、それぞれに特化して熟練した職人が、切る・削る・磨く・組み立てるなどの作業を追究。PRIME WOODは、そうしたスペシャリストたちの手によってつくり出されていきます。
次のページではPRIME WOODを内装材別に見ていきましょう>>
<関連サイト>
PRIME WOODスペシャルコンテンツ
「MyForest BF」 PRIME WOOD紹介ページ
<関連記事>
マホガニーとは?“黄金の木”の特徴と魅力