老後世帯のキャッシュレス決済の注意点とは?
60歳以上の人からお金相談を受けると、クレジットカードや●●ペイの使用、といった「キャッシュレス決済」に興味はあるものの、使いすぎが心配で現金しか使わないという人がいます。確かにキャッシュレス決済は現金と違い、お財布からお金が減ることなく支払いができるため、支出額が把握しづらいということがあります。
きちんと収支を管理できるのであれば、キャッシュレス決済を使ってみるのも一考です。ポイントが還元されたりとお得なこともあるからです。まだ使っていない人はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
スマホやパソコンが苦手な人がキャッシュレス決済を使うときの注意点は?
市政でもキャッシュレス決済ができるように?
キャッシュレス決済は、今まで現金しか使えなかった場所でも、いつの間にか導入されていたりすることがありますので、まずはどこでキャッシュレス決済ができるのか、探してみるといいでしょう。マイナンバーカードが健康保険証として利用できるようになったこともあり、今後は病院でもキャッシュレスの普及が進むかもしれません。東京都の三鷹市では、市政の窓口にキャッシュレスでの支払いが導入されたとしてニュースでも報道されました。
郵便窓口でもキャッシュレス決済が可能に?
郵便窓口でも、キャッシュレス決済が利用できます。具体的には、郵便料金または荷物(ゆうパック、ゆうメールなど)運賃切手、はがき、レターパックなどの販売品、カタログ、店頭販売などの物販商品など。郵便局では、切手のみ、1回につき10万円が上限額になります。印紙や宝くじ、代金引換郵便物等の引換金などは、キャッシュレス決済できません。切手やはがき、レターパックなどの発送をするときにキャッシュレス決済をすることができますので、現金だけではなく、使ってみる価値はあるのではないでしょうか。
キャッシュレス決済をすると「ポイ活」ができる?
冒頭に書いたとおり、クレジットカードや●●ペイを使うと、ポイント還元がされることが多いのですが、生活費をキャッシュレス決済することによって、ポイントを集めることを「ポイ活(かつ)」といい、若い世代を中心に、ポイントをうまく使うことで生活を豊かにしていくことを実践しているようです。例えば、ひと月の生活費が20万円の世帯が1%ポイント還元のキャッシュレス決済を利用した場合、ひと月2000円の節約になり、年間2万4000円の節約になるのです。
日々の買い物や支払いを、現金からキャッシュレス決済に変更すればするほど節約効果が大きくなるでしょう。また、ポイント還元率ができるだけ高いカードや決済手段を探しておくことも大事です。このあたりは、身近にいるポイ活をやっている人に意見や評判を聞くなどして、情報を集めてみてください。生活道線で使うスーパーやドラッグストアなどで、どのポイントが集められるのかなど、その人によってお得なカード、ポイントが違うためです。
投資とは違い、ポイントは本来使う支出に対してもらえるオマケのようなものなので、有利にキャッシュレス決済を利用して、リスクを負うことなく、結果として生活費を節約できることになります。
「マイナンバーカード」を持っている人は『マイナポイント』でさらに節約につながる
キャッシュレス決済を始める人で、ポイントをもらう制度として確認してほしいのが「マイナポイント」です。「マイナポイント第2弾」の期限が、2023年2月末までの延期になったのはご存じでしょうか。マイナポイントは登録していない人も、これからマイナンバーカードを取得する人も、下記の条件でポイントがもらえるので、チェックをしてみてください。
【「マイナポイント第2弾」のポイント付与条件】
- マイナンバーカードを取得して、2万円をチャージ(最大5000円分)
- マイナンバーカードの健康保険証としての利用申込み(7500円分)
- 公金受取口座の登録(7500円分)
初心者がキャッシュレス決済を利用する際の注意点は?
ポイントをもらうことに慣れてくると、ポイント付与率だけに目が向いてしまい「ポイント取得のためだけに不要なものを購入してしまった」という浪費につながってしまうこともありますので注意が必要です。さらにキャッシュレス決済では、ポイント還元が多いというケースもあり、現金を●●ペイなどに、「チャージ」(支払い用にプールすること)して使う人もいると思いますが、銀行口座もしくはクレジットカードからお金が移動することになります。一度にたくさんのお金をチャージしてしまうと、浪費につながることになりかねません。一カ月に使っていい金額を決めた上で、最初は少額の3000~5000円程度ずつチャージしておくといいでしょう。
キャッシュレス業者のアプリで収支はその都度、確認ができます。スマホやパソコンが苦手な人は、その日使った金額を家計簿、またはノートなどにつけておきましょう。高額な請求に驚かないためにも、毎日、決済した金額を把握するようにしておいてほしいのです。キャッシュレス決済をきちんと「見える化」することで、他の無駄な支出が発見できるきっかけになるかもしれません。
これらのキャッシュレス決済のメリットとデメリットを理解して、キャッシュレス決済で得たポイントを家計管理に有効活用していきましょう。
取材・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
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