メモリの数字の意味を知ろう
まずは、パソコンのカタログを見てみましょう。
たとえば、VAIO type Lシリーズのカタログで、メモリのところを見ますと、
メインメモリー(標準/最大) 1GB(512MB×2)/2GB(DDR2 SDRAM、DDR2 667対応(667MHz動作) デュアルチャンネル転送対応)・(ビデオメモリー共有) |
と記載されています。
この場合、どこに注目するかといいますと、
「667対応(667MHz動作)」と「デュアルチャンネル転送対応」、そして「最大2GB」という数字です。
次に、今、実際に売られているメモリの種類を見ますと、デスクトップパソコン用のメモリでは、
- PC2-6400(DDR2-800)
- PC2-5300(DDR2-667)
- PC2-4200(DDR2-533)
- PC3200(DDR400)
- PC2700(DDR333)
などがあります。
これらのメモリは、数字こそ違いますが、大きく分けて「DDR」と「DDR2」に分かれます。
DDR400とDDR333は同じメモリスロットを使っており、数字が大きいDDR400が上位となります。また、DDR2-533とDDR2-667、DDR2-800は同じメモリスロットを使っており、こちらの方も、数字が大きいDDR2-800が上位となります。
ただし、DDRとDDR2とでは互換性がないので、DDRを使っているパソコンでDDR2メモリを使うことはできませんし、逆も同様に、DDR2メモリを使っているパソコンでDDRメモリを使うことはできません。
下の比較図を見ると、これらはスロット形状が違うので刺すことさえできないことがわかります。
「DDR2」(上)は、接続部の目が細かく、切れ込みが中央寄りにある。「DDR」(下)は、接続部の目が大きく、DDR2とは微妙に切れ込みの位置が異なっているのがわかる。 |
これらの数字で「PC3200」や「PC2-5300」と言う「PC」「PC2」を含んだ文字列は、規格名を表しており、それぞれの規格名が最大転送速度を表しています。
また、「DDR400」や「DDR2-667」における数字は、クロック周波数を表しています。どちらも数字が大きければ大きいほど転送速度が高くなる、つまり性能が良い・上位のメモリとなり、メモリの価格も高いものになっています。
具体的には、
- PC2-5300(DDR2-667)
- というメモリは、「PC2-5300の規格で、毎秒5.3GBの転送速度を持ち、DDR2のチップを使って667MHzのクロック周波数で動くメモリ」となります。
- というメモリは、「PC2-5300の規格で、毎秒5.3GBの転送速度を持ち、DDR2のチップを使って667MHzのクロック周波数で動くメモリ」となります。
- PC3200(DDR400)
- というメモリは、「PC3200の規格で、毎秒3.2GBの転送速度を持ち、DDRチップを使って400MHzのクロック周波数で動くメモリ」となります。
モジュールの規格 | チップの規格 | 最大転送速度 | クロック周波数 |
PC2700 | DDR333 | 2.7GB/秒 | 166MHz×2 |
PC3200 | DDR400 | 3.2GB/秒 | 200MHz×2 |
PC2-4200 | DDR2-533 | 4.2GB/秒 | 133MHz×4 |
PC2-5300 | DDR2-667 | 5.3GB/秒 | 166MHz×4 |
PC2-6400 | DDR2-800 | 6.4GB/秒 | 200MHz×4 |
メモリ購入のときにはどのように言うの?
それぞれのメモリには、容量毎に、512MB、1GB、2GBなどの製品が作られており、購入の際は、「PC2-5300 DDR2-667で1GBのメモリをください」と言う様になります。
この際、PC2-5300の製品はDDR2-667しかありませんので、「PC2-5300の1GBのメモリ」または、「DDR2-667の1GBメモリ」といっても構いません。どちらも同じメモリを表しています。
メーカーのカタログやショップによっては、「DDR2-667対応」「PC2-5300対応」と、どちらかしか書かれていない場合もありますが、同じ規格を言い換えているだけなので問題ありません。
ところが、せっかく高性能なメモリを購入しても、本来の性能を発揮できない場合や、下位のメモリが必ずしも安いとはいえないこともあるのです。
次は 転送速度と最大搭載容量の観点から、メモリを選ぶポイントを解説していきます。