血圧が低いのは病気? 女性に多い「低血圧」の悩み・不調

低血圧とは……原因・症状・漢方による改善のコツ

高血圧のように治療対象にはなりませんが、漢方相談では「低血圧」による悩みが寄せられます

日ごろお受けしている漢方相談の中で、特に女性は低血圧の方が多いと感じます。一般的には高血圧に悩む人が多く、血圧を下げるための食生活や薬・サプリなどの情報をよく見かけますが、漢方相談では「血圧を上げる漢方はないのでしょうか?」と聞かれることがあるほどです。

適切な血圧を保つことは、健康維持のためにも大変大切なことです。今回は低血圧とは何か、低血圧による症状や対処法について詳しくお伝えしたいと思います。
 

低血圧とは……正常血圧・低血圧の基準・一時的な起立性低血圧との違い

そもそも血圧とは、心臓から全身に血液が送り出されるときに、血管にかかる圧力のことです。心臓が収縮したときの圧力を最高血圧(収縮期血圧)心臓がふくらんでいるときの圧力を最低血圧(拡張期血圧)といいます。正常血圧は、最高血圧が120~129mmHg、最低血圧が80~84mmHgです。

では低血圧の値はどれくらいかというと、WHO(世界保健機関)より「最高血圧が100mmHg以下、最低血圧が60mmHg以下」と定義されています。

また、混同されやすいものに「起立性低血圧」があります。起立性低血圧は、急に立ち上がったときなどに起こる一時的な低血圧のこと。ストレスや疲労など自律神経の不調を抱えている方や、運動不足・寝不足などによっても起こりやすいとされていますが、「低血圧」とはまた別のものです。
 

低血圧は朝に弱いというのは本当? 血圧の低さによる症状・デメリット

低血圧は、高血圧と異なり、医学的に治療が必要なものとは考えられていません。一方で、低血圧の方は、立ちくらみやめまいを始め、朝起きにくい、倦怠感や疲労感が取れない、肩こりがある、動悸や胸痛を感じるなどの症状を訴えることがあります。「低血圧だから朝起きるのが苦手」「低血圧だからだるさが取れない」といったことは俗説のように思われるかもしれませんが、実際にこういった訴えは珍しくありません。

低血圧は上記で述べた通り、「全身へ血液を送る力が弱い」ということです。血液や栄養素、身体を機能させる様々なシグナルは、血流に乗って身体の各臓器に行きわたります。つまり、身体の各臓器をしっかり働かせるためには、血流が良いことが大切ということです。

低血圧の状態では、血流が弱く身体を働かせていく圧(力)が弱いため、身体が本調子ではなく、そのためにだるいと感じたり、朝もすっきり起きることができなかったりといった症状が出やすくなると考えられます。
 

低血圧を改善する方法・血圧の上げ方……漢方的な考え方と主な漢方薬

中医学では、「気・血・水」のバランスを整えることによって、体調を整えていきます。低血圧の場合、適切な血圧の上げ方、つなり血流を良くすることが大切と考えます。しかし、そもそも身体に「気」や「血」が不足でしている方の場合は、まずはそれらを補ってあげることが大事です。そのため、低血圧を改善する漢方薬と一言に言っても、各々の体質によって異なるため、「低血圧にはコレ!」という漢方薬があるわけではありません。体質をしっかり判別することがとても大切です。
 
その前提の上で、良く使われる処方としては、
  • 虚弱体質の方に良く用いられる「小建中湯」
  • 冷えの症状が強い方に良く用いられる「人参湯」
があります。

また、まずは生活の中で簡単に取り入れられるおすすめの方法は、朝にしっかり身体のスイッチを入れてあげることです。1日を元気に過ごしていただくきっかけにもなります。具体的な例としては、
  • 朝に温かいシャワーを浴びる
  • 朝食をしっかり摂る(できれば温かいお味噌汁やスープを取り入れる)
  • 朝食を摂ったうえで駅まで歩くなど軽い運動をする
  • 座りながらでも足首のストレッチをする
など。朝はあまり食べられないという方は、胃腸の働きが弱っていることなどが考えられるので、まずは朝にお腹が空くように生活を整えていくと良いでしょう。
 

体質的な低血圧による不調は、上手にケアを

病院に行くほどではないけれど、毎日、朝が起きるのが憂鬱、体が思うように動かない……などと悩まれている方は少なくないと思います。これらの症状は、怠けているわけではなく、今回解説したように体質から引き起こされた低血圧による不調かもしれません。

体の弱い部分を適切にケアすることで、不調を改善できると良いですよね。怠さやめまい、朝の不調などでお悩みの方に、今回のお話が少しでもお役に立てば幸いです。

■参考文献
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