漢方薬局や薬局で購入できるお屠蘇・屠蘇散

お屠蘇の効果・効能

新年の縁起物・お屠蘇は、お正月シーズンに適した効能を持つ複数の生薬で作られます

私は相談薬局で生まれ育ったので、お正月近くになると、たくさんのお客様がお屠蘇を作るための「屠蘇散」を購入しにいらっしゃいました。お屠蘇の生薬の香りが広がると、子供心に「もうすぐお正月!!」と心が踊ったものですが、最近は、お屠蘇は漢方だと知らず、薬局で購入できると聞いて驚かれる方も多くいらっしゃいます。
 
また、「お屠蘇はお正月に飲むお酒」というイメージを持たれている方も、どのような意味があるのかまでは知らない方が多いのではないでしょうか?
 

お屠蘇とは……「病をもたらす鬼(蘇)」を「屠(ほふ)る」お正月の縁起物

お屠蘇とは、中国から伝わった薬酒の一種です。「屠蘇散」(正式名称は屠蘇延命散)という漢方薬を袋に入れ、日本酒やみりんに浸して作ります。「邪気を払い、不老長寿になれる」とされ、新年に年少者から飲むという習わしがあります(参考:『日本のしきたり』(彩図社))。

日本名酒会のWebサイトによると、「お屠蘇」とは、酒やみりんで生薬を浸け込んだ一種の薬草酒と紹介されています。

「屠蘇」というのは普段見慣れない難しい漢字だと思いますが、「屠」は「屠(ほふ)る」、「蘇」は「病をもたらす鬼」という意味があります。すなわち「鬼退治」を表します。また、「屠」は「邪気を払う」、「蘇」は「魂を目覚め蘇らせる」という意味ととるなど、微妙に異なる解釈がいくつかあるようです(参考:日本名酒会HPより)。
 

お屠蘇の中の生薬・漢方的に見る各生薬の効果・効能

お屠蘇には、下記のような効能をもつ複数の生薬が入っています。漢方的に見ると、身体を温め、胃腸の働きを良好に保ち、風邪の予防に効果があるとされる生薬が多く入っていることから、寒さの厳しいお正月の季節に適した構成になっていると思います。
 
■屠蘇散に含まれる生薬一覧
  • 白朮(ビャクジュツ):健胃、発汗、利尿
  • 山椒(サンショウ)健胃、消炎、利尿
  • 桔梗(キキョウ):去痰、鎮咳、排膿
  • 肉桂(ニッケイ):補陽・止痛・健胃
  • 防風(ボウフウ):発汗、解熱、鎮痛
  • 赤小豆(セキショウズ):解熱、利尿
  • 陳皮(チンピ):健胃、風邪症状改善
とはいえ、お屠蘇として飲むのは小さな盃に一杯程度です。薬効を期待する量にはなりませんので、あくまでも体によい様々な生薬を含んだ縁起物、として楽しむのがよいでしょう。
 

お屠蘇を飲む際の注意点……アルコールが飲めない人は仕草だけに

お屠蘇を飲むときは、年少者から年長者へと盃を順番にすすめるのが習わしとされています。若者の精気を年長者に渡すという意味があるようです。

ただ、お屠蘇はアルコールですので、未成年や車を運転する人、お酒が飲めない方は、飲むふりをするなど、お屠蘇の雰囲気を楽しむことだけにとどめましょう。

また、生薬が豊富で体に良いと考えて、多量に飲みすぎてしまうことも控えましょう。
 

新年の健康を願ってお屠蘇の準備も楽しんで

お屠蘇は、お正月に1年間の邪気を払い、長寿を願って飲むお祝いのお酒です。2020年はコロナ禍の影響で、日本のみならず、世界中の方が健康をより一層願う年になったように思います。

2021年の健康、長寿を願って、静かな中にも新年を迎える縁起物として、お祝いの気持ちを持ちながら、準備も楽しまれてくださいね。
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