新型コロナウイルス感染症で深刻な影響を受けている「献血」
献血は医療を支え、誰かの命をつなぐことができるボランティアです
新型コロナウイルス感染症の拡大は、医療で大切な輸血用血液製剤にも大きな影響を与えています。今年は新型コロナウイルスの影響で、企業や学校などでの団体での献血の多くが中止になりました。都内では4月からの7カ月間で、献血する人が去年に比べ約2万9000人も減ったとの情報もあります。現時点においても、病院への供給量と献血数に大きな乖離が生まれてしまっているのです。
日本赤十字社の関東甲信越ブロック血液センターは「【今後も厳しい見通しです】400mL献血のお願い」との呼びかけを出しています。
日本赤十字社の「血液のゆくえ」にも詳しく書かれていますが、輸血が必要になるのは事故や怪我のときだけではありません。実は血液製剤の多くは、現代では2人に1人がなるといわれているがん治療において使われていますし、妊娠・出産の際に母体の命を守るために使われることもあります。多くの人が輸血用血液製剤を必要としており、これは誰にとっても決して他人事ではないのです。
疾病別輸血状況|血液のゆくえ(日本赤十字社)
献血の種類は「全血献血」「成分献血」……200ml献血は16歳から可能
献血は大きく「全血献血」と「成分献血」の2種類に分けられます。さらに、「全血献血」は200ml献血と400ml献血、「成分献血」は血漿成分献血と血小板成分献血に分かれています。このうち、特に必要とされているのが400ml献血と血小板成分献血です。全血献血の200mlなら男女ともに16歳から可能です。それ以外の献血については性別で年齢の基準が異なり、400mlなら男性17歳、女性18歳から可能になります。また、成分献血に関しては血漿・血小板を、男女ともに18歳から行うことが可能になります。
採血基準|平成23年4月1日から献血の可能年齢等(採血基準)が変わります(厚生労働省)
献血の流れは以下のとおりです。
- 献血受付
- 質問への回答
- 問診/血圧・体温測定
- ヘモグロビン濃度測定/血液型事前検査
- 採血
- 休憩
- 献血カード(献血手帳)受け取り
献血会場はコロナ対策も万全! 献血できる方はぜひ協力を
コロナ禍で不安な日が続きますが、赤十字は献血の場や受付の感染予防対策を徹底しています。事前予約の上、密にならない環境下で、安心して献血に協力してほしいと呼びかけています。コロナの拡大により多くの人が不安や困難を抱えていますが、多くの人にでき、誰かの役に立てる方法の一つが献血です。これまで何となく行くきっかけがなかった方も、久しく行っていないという方も、新型コロナウイルス感染症の影響で血液が不足している今、是非、足を運んでいただけましたら幸いです。
■参考
- 血液のゆくえ(日本赤十字社)
- 平成23年4月1日から献血の可能年齢等(採血基準)が変わります(厚生労働省)
- 献血の種類・基準|長野県赤十字血液センター(日本赤十字社)
- 献血の流れについて(日本赤十字社)
- 血液のゆくえ|東京都赤十字血液センター(日本赤十字社)
- 保管から供給|大阪府赤十字血液センター(日本赤十字社)
- コロナで血液の在庫ひっ迫「安心して献血に協力を」(テレ朝news)
- 【O型、B型、A型の方はお早目のご協力を】400mL献血のお願い(日本赤十字社)
- あなたもご協力を! 「献血」は命をつなぐボランティア(政府広報オンライン)