レンコンで咳やのどの痛みが改善する? 民間療法や漢方での利用も
咳や喉が痛みの症状に使われてきたレンコン。栄養学的に見て、実際に効果は期待できるのでしょうか?
そんな泥の中で育つレンコンは古くから民間療法でも使われていたようですが、漢方の世界では「咳やのどの痛みなどに効果がある」「慢性的な下痢に効果がある」と考えられ、現在でも利用されています。実際、喉が痛いときや咳が止まらないときなどに「レンコン飴」が効くと薦められることもありますね。今回は実際のレンコンの栄養素とその効能から、レンコンの効果や魅力を解説します。
レンコンの栄養と効能……ビタミンCやポリフェノール豊富
レンコンが咳やのどの痛み、風邪などに効果があるとされる理由は、ビタミンCが豊富なためでしょう。レンコンは100gあたり48mgのビタミンCを含んでおり、100g食べると1日に必要なビタミンCの約半分を摂取することができます。ほかに豊富な栄養素として、カリウム440mg、リン74mg(それぞれ可食部100gあたり)が挙げられます。レンコンの切り口を放置すると、茶色に変色しますが、これはレンコンが持つ「ポリフェノール」の色が変わるためと考えられています。ポリフェノールは「抗酸化作用」を持つといわれていますが、この「抗酸化作用」が活性酸素などの体内の有害な物質を無害な物質に変えるため、健康面・美容面に役立つと期待されているようです。
レンコンが黒く変色する原因・毒性やアレルギーリスクの有無
前項目でも触れましたが、レンコンはポリフェノールを持っているため変色しやすいです。そのため、腐っているわけではないのに黒く変色することがあります。一般的に変色した食材は傷んでいるのではないかと不安になる人がいるようですが、変色してもレンコンに毒性はありませんので、一般的に日常生活で食べる程度の量であればまず問題ありません。変色していても実にハリがあれば食べられます。また糖たんぱく質のムチンを含んでいるので、ムチンの量によっては切った断面が粘りを持っていることもあります。ネバネバしているのは腐っているのではないかと思うかもしれませんが、こちらも問題はありません。
鮮度や食べられるかどうかを言葉で表現するのは難しいのですが、上記のような変色や粘りではなく、指で押して一定の固さがあるか(柔らかくなっていないか)、カビなどが生えていないか、嫌なニオイがしないかなどで、総合的に判断するのが良いと思います。
レンコンアレルギーはめったにみられませんが、レンコンも食品の一種なので、アレルギーが絶対にないとは言い切れません。また、アレルギーではないのに、レンコンを食べてじんましんなどが出るケースもあるようです。素人判断でレンコンアレルギーだと考えてやみくもに除去するのではなく、疑われる症状が出た場合は必ずアレルギーの専門医を受診してください。
アク抜きは不要? 栄養素を逃さないレンコンの調理法・保存法
レンコンを水にさらすのは、あく抜きのためというよりは、茶色く変色するのを防ぐためです。酢水に漬けるのも同様に白く保つためです。調理直前に切れば、水にさらす必要はないと思います。調理までに時間がかかる場合、水(酢水)に漬けっぱなしにしてしまうと多少ではありますが栄養素が水に流れ出てしまうので、見た目の色と栄養素のどちらを重視するのかを考えて使い分けるとよいでしょう。レンコンは泥の中で生育するため、光や空気に弱いと言われています。切って保存する場合の断面はラップをしましょう。節つきのままのほうが長持ちする、泥付きのままであればさらに長持ちすると言われるのはそのためです。
また、レンコンは冷凍保存も可能です。その場合は、皮をむいて使用しやすい大きさに切ってから、2~3分酢水にさらし、ラップでしっかり包んで冷凍用の保存袋に入れて保存してください。保存状態がよければ1カ月程度は保存ができます。
レンコンのおすすめの食べ方・簡単レシピ
レンコンはどのように食べても美味しいですが、レンコンのきんぴらの他、以下のような食べ方が定番として挙げられると思います。・レンコンのはさみ揚げ
間に挟まったひき肉とレンコンのシャキシャキ感のコラボが嬉しい一品。肉が増量された気分になるので、ダイエット中でも高い満足感で、エネルギーカットすることも期待できます。
・レンコンサラダ
レンコンを食べやすい大きさに切り、茹でて、マヨネーズと和えるだけ。とても簡単にできます。
・レンコンの酢漬け
食べやすい大きさに切り、茹でて、甘酢(三杯酢がオススメ)で漬け込みます。
・筑前煮などの煮物の食材として
煮物で食べれば、茹でることで出てしまう水溶性ビタミンも、しっかりいただくことができます。
栄養豊富で縁起物でもあるレンコン……様々な料理に活用を!
レンコンは、栄養面ではもちろん、穴の開いた不思議な形から「見通しが良い」と考えられ、縁起物として食されてきた一面もあります。古くからさまざまなレシピがあり、調理法によって幅広く味わいが変わることも魅力の一つといえるでしょう。季節を問わず手ごろな値段で手に入る身近な食材ですので、いろいろな料理法を試し、レンコンの味わいを楽しむとよいのではないでしょうか。■参考
- 薬膳食材辞典 れんこん(漢方ライフ)
- 漢方を知る ハス(レンコン)(漢方薬のきぐすり.com)
- 食品の栄養素が一目でわかる・カロリー計算できる(れんこん)(カロリーSlism)
- レンコン(蓮根/れんこん):栄養成分と効用(旬の食材百科(れんこん))
- 食品名: 野菜類/れんこん/根茎、生(食品成分表(2015年版))
- れんこんの選び方と保存方法(いばらきれんこん広域銘柄化推進協議会)