普通預金の金利はメガバンクの200倍
あおぞら銀行のインターネット支店という位置付けで、2019年7月にスタートしたのが「BANK」です。スマートフォンを軸とした、ネット専業の新しいマネーサービスを展開しています。中でも話題となったのが、預金金利の高さ。普通預金、定期預金(1年もの)ともに0.2%(※)。メガバンクの普通預金が0.001%ですから、実にその200倍です。すぐにインターネット上で大きな話題となり、同時に口座開設の申し込みが急増しました。(※)税引き前、2020年8月20日現在
「目立ったプロモーション、CMなどをしたわけでもなく、多くの新規ユーザーの方々を獲得できたのは、金利の高さがそのきっかけとなったことは、確かだと思います。ただ、それだけではなく、『BANK』のいろいろなサービスを知っていただき、よりファンになってもらえたらという思いが強くあります」(「BANK」支店長・中井剛さん)
では、高金利の貯蓄商品の他にどのような特徴があるのか。具体的に見ていきましょう。
利便性が人気のデビットカード
「BANK」では、預金残高と同時にその数字を大きく伸ばしているサービスがあります。Visaのデビット機能を持つ、「あおぞらキャッシュカード・プラス」の利用者数です。スマホと連動し、便利な「あおぞらキャッシュカード・プラス」
そして、このデビットカードには利点がもうひとつ。それは利用限度額が大きいこと。預金残高の範囲なら、1日最大500万円。コンビニやファストフード店だけでなく、利用できるシーンははるかに大きいのです。
使いながら貯めるユニークな積立貯蓄
もうひとつ、ユニークな貯蓄サービスを紹介します。それがBANKアプリ限定の貯蓄預金「The Savings」。このサービス、ひとことで言えば「使いながら貯める」というもの。まず、何かをする資金づくりとして例えば、来年の夏に家族で旅行する、以前から欲しかった家具を購入するなど、貯蓄の目標を決めます。そして目標金額を設定したら、次に貯蓄方法を決めます。
身近なことでOK! 貯蓄目標を設定する
積立定期のように毎月定額で積み立てることも、臨時収入などを随時預け入れることもできますが、ぜひ試したいのがデビット積立。デビットカードの利用ごとに、その使用額の何%かを設定した割合で積み立てていくというもの。つまり、使うほど貯まっていく仕組みです。しかも、積立額が貯まっていく貯蓄預金も、その金利は0.2%(※)となっています。
貯蓄の進捗もスマホで随時チェック!
「BANKのお客さまは30代後半~50代の、いわば働き盛りのキャッシュリッチ層が中心です。収入も高いが支出もそれなりに多い。したがって、節約ではなく、お金を使うことで知らないうちに貯蓄できる良さは、こういった人たちにより実感していただけるサービスだと考えていますし、実際にユーザー数も着実に増えています」
シンプルで身近な銀行とは
金融商品の新サービス、新技術は続々と生まれています。そしてそれに関する情報も膨大と言えるでしょう。しかし、自分にとって本当に役立つ、そして身近な銀行とは何でしょうか。BANKの発想はそこが出発点です。「我々はメガバンクでもなければ、地域に根ざした地方銀行でもありません。あれもこれもと手を広げるのはおこがましいと考えています。したがってローンのご提供はしていませんし、自前のATMも持っていません。業務の選択と集中によって経営コストを下げ、高い金利を実現しています。シンプルに金融というものを身近に感じてもらえる、そんな銀行を目指しています」
BANKのサイトには「ストーリー」というコンテンツがあります。トラベル、グルメ、レジャー、ショッピング、そしてスクール等の学びについて、多様で魅力的な情報を発信しています。
そのコンセプトは「1万円でできる素晴らしい体験」。そこから、日常生活の利便性、そして豊かな人生のためのサポート役に徹した金融機関の思いが伝わります。
取材・文/清水京武